#22. 総合問題【解答】

[409] 問1) 2 問2) 2

問題解説
問1)メタ認知ストラテジーは、オックスフォードが分類した間接ストラテジーの一つで、学習の計画、評価に関するもの。
問2)理解可能なインプットがうまく作用するのは、情意フィルターの低い学習者である。教師は、そのために情意フィルターを低める役割行わなければならない。
[410] 問1) 1 問2) 3

問題解説
問1)これは、長期記憶に転送する精緻化リハーサルではなく、短期記憶に忘却を防ぐための維持リハーサルである。
問2)オーズベルは、ブルーナーの発見学習に対して、学習者の認知構造に適合するよう学習内容を伝えるべきであるということから有意味受容学習を強調した。

[411] 問1) 4 問2) 2

問題解説
問1)忘却理論には、記憶痕跡の減衰論と干渉論がある。先に記憶したことに、後で起こったことが干渉した場合は逆行抑制。過去に学習したことが新たな記憶に干渉する場合は順行抑制という。
問2)練習の初期には進歩が見られ、途中で停滞すること。高原現象、プラトーとも言われる。

[412] 問1) 2 問2) 1

問題解説
問1)CBT(Computer Based Testing)では、受験者はコンピュータに用意されたテスト問題に、マウスやキーボードを使って解答する。
問2)認知機能は「浅い」水準から「深い」水準へと構造化されているというモデル。記憶システムは、処理の深さによって「情報が長期間蓄えられるかどうか」が決まると考える。クレイクとロックハート提唱。

[413] 問1) 2 問2) 1 問3) 1

問題解説
問1) 特になし
問2) 1は自分の行為を単にへりくだる謙遜表現。それ以外は、受け手尊敬のための謙譲表現である。
問3) 1以外のものは、「くださいます」のようにイ音便となる。

[414] 問1) 1 問2) 3

問題解説
問1) 1. だけが隠喩で,たとえの形式をとらない比喩。他は換喩で,隣接性のあるもので表す修辞法。
問2) フィンランド語はウラル語族。他は印欧語族(ゲルマン語族)。

[415] 問1) 4 問2) 3

問題解説
問1) この4. だけが,ある事態の出現を表す。他は,ある動作・状態を続けながらこちらに至ることを表す。
問2) 「ワニス(塗料)」は略語ではない。

[416] 問1) 1 問2) 3 問3) 2

問題解説
問1) N+Vの複合名詞で、1. は「NヲVスル」、他は「VシテN(状態・物)ニナル」
問2) 3. のみ上方移動を表す。他は「終える、完了する」の意。
問3) 2. は内の関係、デ格で関係づけられる。他は外の関係、内容を表す。

[417] 問1) 2 問2) 4 問3) 2 問4) 1

問題解説
問1)統計的に有意である(statistically significant)という。
問2)統計的有意性の検定では、まずグループに差がないという帰無仮説(null hypothesis)を設定する。次に、この帰無仮説が正しくない(帰無仮説を棄却する)ことを証明する。
問3)間違って正しい帰無仮説を棄却してしまう危険性(第一種の過誤)があるので、この過誤が起こりうる危険性を危険率(優位水準)αで表す。例えば、α=0.05とは「この検定が間違っている可能性が5%存在する(すなわち95%は信頼してよい)」という意味である。
問3)帰無仮説(二つの平均点に差はない)を棄却するかどうかの判断は、t検定の統計処理法に従って検定量t値を算出して、その絶対値をあらかじめ定めた臨界値(棄却値)と比較して行う。同じ被験者のデータを二組比較する場合は、「対応のあるt検定」を行う。

[418] 問1) 4 問2) 4 問3) 3

問題解説
問1)留学生にとって日本は異文化であり、自文化に対立する文化となる。「文化的存在としての留学生」という視点から、留学生を多面的に理解することが大切である。
問2)自我同一性。エリクソンの人格発達理論における青年期の心理的社会的危機を示す用語。
問3)問題の解決に当たっては、あくまで本人が解決できるように援助することが大切。どうすれば解決するのか、その方法や選択肢を留学生とカウンセラーが一緒に考える態度が望ましい。

[419] 問1) 1 問2) 1

問題解説
問1)全米外国語教育協会ACTFL(The American Council on the Teaching of Foreign Languages)によって開発された汎言語的に使える会話能力テスト。OPIとは(Oral Proficiency Interview)の略で、外国語学習者のタスク達成能力を、対面のインタビュー方式で判定する。
問2)直接法系の教授法の一つ。ある動作を細かい一連のステップの連続として与えるので、シリーズ・メソッド、サイコロジカル・メソッドともいう。

[420] 問1) 2 問2) 2

問題解説
問1) 『古事記』(本文)は変体漢文体、『日本書紀』は漢文体で書かれている。
問2) 1: 片仮名のほうが成立は古く9世紀初頭から。平仮名は、9世紀末から10世紀前半の成立とされる。
3: 『御堂関白記』は記録体(変体漢文体)。
4: 「漢字御廃止之儀」とは、前島密の建白書(意見書)である。1866年に、徳川慶喜に建白された。

[421] 問1) 1 問2) 2 問3) 4

問題解説
問1)2 は、ソーンダイクの試行錯誤学習。3はバンデュラの観察学習。4はフェスティンガーの認知的不協和理論。
問2)この訓練は、ブレイン・ストーミング、モデリング、行動リハーサル、フィードバック、トランスファーという手続きを経て、アサーション(主張)行動を実につけさせていく。
問3)正の転移、負の転移は、対照分析のとらえ方。誤用分析では、母語と学習言語との違いによって起こる間違いを言語間エラー、母語に関係ない間違いを言語内エラーとみる。

[422] 問1) 1 問2) 2 問3) 4

問題解説
問1)2 は、ソーンダイクの試行錯誤学習。3はバンデュラの観察学習。4はフェスティンガーの認知的不協和理論。
問2)この訓練は、ブレイン・ストーミング、モデリング、行動リハーサル、フィードバック、トランスファーという手続きを経て、アサーション(主張)行動を実につけさせていく。
問3)正の転移、負の転移は、対照分析のとらえ方。誤用分析では、母語と学習言語との違いによって起こる間違いを言語間エラー、母語に関係ない間違いを言語内エラーとみる。

[423] 問1 3 問2 4

問題解説
美化語とは、聞き手や話題の人に対するていねいなもの言いとして敬語を使うのではなく、女性の間で多く使われる、話し手自身の上品さを保持するための言い方ともいえる。「お天気がいい。」の「お天気」のような言い方。

[424] 問1 1 問2 3 問3 2

問題解説
問1 時枝誠記 (1900~1967)。ソシュールの言語理論を批判し、独自の言語観に基づき「言語過程説」を唱え、国語学の分野に新しい展開をもたらした。
問3 2番は所在を表す。他は、動作性の名詞について、その動作・作用・状態の主が後ろの名詞であることを表す。

[425] 問1 4 問2 2

問題解説
問2 2番だけが本動詞、順次動作を表す。他は補助動詞で、その過程が増大、進行する変化を表す。

[426] (1) 1 (2) 2 (3) 2

問題解説
(1) 1番だけが比況の「ようだ」。他は推量。
(2) 2番だけが起点の「を」。他は動作の経由を表す「を」。
(3) 2番だけが確定条件。他は仮定条件。

[427] 問1 1 問2 3 問3 5

問題解説
問1 1以外は「あめ(ame-)」⇒「あま(ama-)」のように母音交替がある。
問2 3のみが間接受け身。対応する能動文に「太郎」が出てこない。
問3 ハンガリー語はウラル語族。他は、インド・ヨーロッパ語族。

[428] 問1 2  問2 4 問3 1

問題解説
問1 まず、調音法で破裂音/p/から摩擦音/Φ/へ、その後、調音点で両唇音/Φ/から声門音/h/への変化が起こっている。
問2 ハ行音の歴史的変化は、唇にかかる負担を軽減させる方向に変化してきた。この現象を「唇音退化」という。
問3 上田万年(うえだかずとし)、東京帝国大学教授。チェンバレンを師と仰ぎ、西欧の言語学研究方法を紹介し、国語音韻の研究に貢献した。

[429] 問1)3 問2)4 問3)3

問題解説
言語記号には、表す面(音)と表される面(意味)の二面性がある。ソシュールは、この両面を「シニフィアン」と「シニフェ」と言い換え、この二面を結ぶ関係を恣意的だとした。

[430] (1) 1 (2) 2 (3) 4 (4) 1 (5) 2

問題解説
たとえば「~だけ」と「~しか」の使い分けの基準。
・ 冷蔵庫の中に野菜だけがある。
・ 冷蔵庫の中に野菜しかない。
 この二つの文を比較する。冷蔵庫の中に存在するものという客観的事実はどちらの文でも変わらない。但し、その使い方を見てみると、「だけ」では、客観的な事実を述べているのに対して、「しか~ない」の場合は、その他のものもあるのを期待したのにという話者の失望感が表面に出てくる。つまり、評価という点において、この二つの表現の使い分けが行われているのである。

[431] 問1)4 問2)2 問3)4 問4)3

問題解説
問1)この観察学習は他者(モデル)を観察するだけで習得することから、モデリングともいう。
問2)このピア(peer)とは「同等の、対等の、仲間」という意味。
問3)減算的バイリンガリズムとは、第二言語が母語を侵食するために、話者のアイデンティティを奪ってしまうことであり、移民のような場合、話者は自分がどこに属するかに混乱をきたし、苦しむことになりやすい。
問4)ブラウンとレヴィンソンの研究で知られる「ポライトネス・ストラテジー」のことである。

[432] 問1)3 問2)2 問3)3 問4)4

問題解説
問4) 「小さいころは、この山に登って遊んだものだ」のような文となる。

[433] (1)2 (2)4 (3)1

問題解説
(1) 手段・道具の「で」の用法。1は原因・理由、3は行動場所、4は並列・添加の用法である。
(2) 使役を作る接辞は、1グループ動詞の場合は「-aせる」(よむ→よませる)、2グループ動詞の場合は「-させる」(たべる→たべさせる)である。問題文の動詞「やる」は1グループ動詞なので、その使役形は「やらせる」となり、問題の例文は「その件は私にやらせてください」が正しい使い方である。
(3) 最近の日本人にも多い誤り方だが、なんでもかんでも動詞に「-させる」をつけて使役形を作るような誤りである。このような誤りを「過剰般化」という。

[434]
問1.c
問2.解答は順不同
 (1) c,i
 (2) d,h
 (3) a
 (4) b,e,f,g

問題解説
問1.ブラウンとレビンソンは、「フェイス(face)の概念を基盤としたポライトネスの理論」、リーチは「ポライトネスの6つの公理」を立てた学者。

435 2 (2) 1-c 2-b 3-d 4-e
問題解説
学習項目の(中心)総体を「シラバス」という。a)は「技能シラバス(skill syllabus)」の説明である。なお、「構造シラバス」は文法シラバス、構文シラバスと言われることもある。

[436] (1) 3 (2)①-3 ②-4

問題解説
(2)
① 「ダイクシス」とは発話の場にいなければ十分な理解ができない性質、特徴である。「直示」と訳される。「代名詞」や「コソア」は典型的なダイクシスである。3 「する・される」は能動・受動の違いでヴォイスといわれる文法領域である。
② 4 が「JICAがこの教科書を出版した」という文の「この教科書」の部分を主題化したもの。他は「AのBがC」という構文の「A」の部分を主題化した文である。

[437] 問1 4 問2②-a ③-e ④-b 問3 2

問題解説
問1 「読点」→「訓点」の誤り。
問2 中国語は本文にあるように、語順によって文法関係が表される孤立語。f の「観念語」とは山田孝雄の術語で体言、用言、副詞を含む。
問3 1.の助動詞は付属語、3.の副詞、4.の接続詞、数詞は自立語である。

[438] 問1)3 問2)4 問3)1 問4)3

問題解説
問1)もとは「宝庫」の意味。同義語・類義語などを分類・整理した語彙集。最近はコンピューターなどの情報検索に使われる索引という意味でも使われる。レキシコンは,ある特定の個人・領域などにおける語彙集。
問2)特に解説はありません。
問3)産業は,「農業,工業,商業」などの上位概念を示す語。
問4)3 は意味が正反対の関係にある対義語で,一方を否定すれば必ず他方になる関係。他は, 一つの事柄を見方や立場をかえて表現している。片方を否定すれば同時に他方も否定される。

[439] 問1)2 問2)3 問3)2

問題解説
問1)国際交流基金関西国際センターが開設したサイトは,「アニメ・マンガの日本語」 (http://anime-manga.jp/)である。人気のある様々なアニメ・マンガから,キャラクター特有の表現,フレーズ,語彙を収集している。場面ごとの表現や,プロの手によるオリジナル漫画などもあり,漸次コンテンツも更新されている。
問2)1の「日本の文化に関する知識・情報を得るため」については,2009年度調査からは,「歴史・文学等」と「アニメ・マンガ・J-POP等」の別々の項目で質問されるようになっているが,どちらも多くの学習機関で選択されている。3「学校教育機関で学ぶように定められているため」については,初等・中等教育段階では多くの機関が選択しているが,高等教育や学校教育機関以外ではそれほど選択されていない。
問3)教材設計過程において動機付けの問題に取り組むことを支援するために,Kellerによって提唱されたモデルに「ARCS動機付けモデル」というものがある。これは,Attention(注意喚起),Relevance(関連性),Confidence(自信),Satisfaction(満足感)の4つの要因からなっている。  つまり,「面白そうで(関心),役に立ちそうな(関連性)ことを,やらせて自信をつけ(自信),ほめてやる(満足感)」という観点からの教材開発が,学習者の動機を高めるという考えである。

[440] 問1)2 問2)1 問3)4

問題解説
問1)「上下」の関係を縦軸とすれば,横軸は「親疎」の関係といえよう。一般に,初対面(疎) のときほど高い敬意表現を用いるが,やがて親しくなるにつれ崩れていく傾向にある。
問2)1 は「敬語の指針」の分類で言えば,謙譲語Ⅱ(丁重語)に該当する。
問3)敬語は,話題の人物同士の社会上の身分・立場の上下,年齢,恩恵や利害,間柄の親疎, さらに,対話の場面の雰囲気などによって,複雑に使い分けられる。外国人に対しては, その人の日本語のレベルに合わせて,調整した話し方をした方がむしろ適切であろう。

[441] 5

問題解説
5 「ニョ」は日本語本来の音節にある。他は,外来語表記のために使われる音節。

[442] 1

問題解説
(誤用)蓋然性のある条件「たら」を誤用している。1 は仮定条件の「たら」の誤用である。

[443] 2

問題解説
(誤用)接続形の誤りである。2 は名詞「よそ見」にそのまま「ながら」を接続させている。

[444] 2

問題解説
(誤用)帰着点「に」を「で」と誤用している。2 は時間を表す「に」を「で」と誤用している。

[445] 4

問題解説
(誤用)尊敬語を使うべきところを謙譲語を使っている。4 は謙譲語を使うべきところで尊敬語を使っている。

[446] 2

問題解説
(誤用)「ナ形容詞の語幹+で」の誤用。2 は「イ形容詞の語幹+くて」の誤用

[447] 3

問題解説
(誤用)自他動詞の誤用。3 は語彙の選択の間違い。 閉める→閉じる

[448] 2

問題解説
下線部は有声と無声の混同に関する誤用であるが、2 のみはその誤用ではない。

[449] 問1)2 問2)3 問3)3

問題解説
問1)学校教育の現場では、一般に抽象的な概念を論理的に構成する精密コードが多用される。
問2)バーバルとは、語、言葉、言語による情報伝達のこと。
問3)エドワード.T.ホールによる。全てのコミュニケーションは、コンテキスト(文脈)により語らなければならない。米国のように伝統がなく、多民族の集まりの国は低コンテキスト、すなわち、逐一言葉で主張されなければならない。一方、日本では「以心伝心」に代表されるように、みなまで言わず「察する」のが礼儀とされる。

[450] 問1)2 問2)4 問3)1

問題解説
問1)國分康孝。1930年生まれ。教育カウンセラー協会会長。
問2)集団力学。レヴィンによって創始された。彼はまた、理論と実践の統合を図るアクション・リサーチを重視し、研究成果を現実の集団活動の改善に生かすことを強調した。
問3)指示的カウンセリングは、カウンセラーがクライエントの抱えている問題を注意深く聞きクライエントがすべき適切な行動や考え方の助言、指導、動機づけを与える。ロジャーズは、クライエント自身の心の成長や自立を重視し支援していく非指示的カウンセリングをとる。これは一般的に「来談者中心療法」と呼ばれている。自己開示は個人内の問題ばかりではなく、他者との関係の発展や衰退に役割を果たす、また、ラポールとは互いに親しい感情が通い合って、打ち解けて話ができる関係をいう。

[451] 2

問題解説
2のみ仮定条件で、「たら」も「ば」も可能。

[452] 問1)2 問2)1 問3)3

問題解説
問1)リキャストとは、会話の自然な流れを壊さずに謝りの訂正を行なうこと。シャドーイングとは、聴解指導で用いられるトレーニング法の一つ。
問3)学習ストラテジーの中でも、自分の分からないことを周りの人(教師、友人、ネイティブ話者など)に尋ねることで解決しようとするストラテジーを社会的ストラテジーという。

[453] 1

問題解説
1のみ「形状」を表す「~ている」の用法の誤りではない。

[454] 4

問題解説
4のみ相互動作の「と」の誤用ではない。

[455] 問1)3 問2)2 問3)1

問題解説
他にも、「目の前」の「前」が、「3年前」のように時間的に使われるようなものもある。

[456] 問1)3 問2)4 問3)2

問題解説
問1)複言語主義(plurilingualism)は欧州評議会言語政策部門による新造語である。多言語主義と異なり、ある人間が、一つ以上の言語について、たとえ限定的であっても、複合的な能力を持ち、(第一言語に限らない)コミュニケーションのための言語の価値観を有していることを意味している。
問3)ELPの構成は、言語能力が確認できる言語パスポート、記録できる言語学習記録、学習成果が保存できる資料集の3部構成になっている。

[457] 問1)2 問2)1 問3)1

問題解説
問2) AL法では、発音が正確であることも重視する。
問3) これらの項目は「機能シラバス」の項目である。

[458] 問1 3 問2 2

問題解説
正規分布とは、データをいくつかの階級に分けたとき、その平均値の度数を中心に、正負の値の度数が同程度に広がる分布。グラフは正規曲線となる。

[459] 2

問題解説
2の説明は丁重語のことである。語彙レベルの丁重語の代表は
・ございます(=あります)
・参ります(=行きます/来ます)
・おります(=います)
・いたします(=します)
などで、これらの動詞では、相手に対する働きかけがなくとも、自分をへりくだった表現として使われる。「この夏は、箱根へ避暑に参りました」

[460] 2

問題解説
2以外の文は、仮定条件の文であるが、2の文は予定の文である。10時になったら、でかけます。(「もし、10時になったら」という意味ではない)

[461] 問1 2 問2 2 問3 2 問4 3

問題解説
問1 プログラム学習は行動主義の応用例として知られる。そこでの正誤情報は、学習者の反応に随伴し、即座に与えられなければならない。この随伴性と即時性が強化のために重要。
問2 目標言語の一つの規則や意味的特徴を異種類の項目に適用させること。過剰一般化とも。
問3 ピアジェの(認知)発達理論は、現在主流となっている認知理論の先駆であり、シェマと呼ばれる独特の認知理論を軸にしている。
問4 認知説では、学習は問題場面に直面した場合にスキーマを用いて解決したり、また問題を解決できるようなスキーマを獲得したりすることであると考える。3以外は連合説による学習の概念である。

[462] 問1)2 問2)2

問題解説
問1)「と」は述語動詞によって、必須補足語を表す場合と副次補足語を表す場合がある。2のみ副次補足語を表している。
問2)「わけだ」には、納得と言い換えの用法があり、2は言い換えで、他は納得。

[463] 問1)5 問2)5

問題解説
問1)5のみ「維持」の意味を持つ。
問2)5のみ連濁が生じている。他は元々が濁音。

[464] 問1 4 問2 1 問3 4

問題解説
問1 女医と医者では、女医が有標で医者が無標になる。このように有標は、同種の物事を表すときに、ある特徴を積極的に示すこと。「走らなかったでしょう」は有標で、「走る」は無標。
問2 1のみテンスを表している。他はモダリティというべきで、ぞんざいな命令、想起、確認を表している。
問3 中国語は、文法カテゴリーとしてのテンス(形態的な対立)を持っていない。

[465] 問1)2 問2)2 問3)3 問4)1

問題解説
問2)中国語の四声のように、音節の中での高低・昇降の変化で語義を区別する機能を有するもの。広義には高さアクセントに含まれる。
問4)「ふくしま」は中高型、他は平板型である。

[466] 問1)2 問2)1

問題解説
問1)この2だけが逆接の用法。他は同時行為を表す。
問2)1は状況可能。他は能力可能。

[467] 問1)4 問2)2 問3)3

問題解説
問1)日本は、察し、以心伝心など、文脈に頼るコミュニケーションの文化(=高コンテキスト文化)である。
問3)エドウィン・ライシャワーは東京生まれで、第二次世界大戦中から米国の対日政策立案に参与した。1961年~66年に駐日アメリカ大使を務めた。

[468] 問1)2 問2)4 問3)3

問題解説
問1)ラポールとは、互いに親しい感情が通い合って、打ち解けて話ができる関係をいう。心理療法や心理実験などで面接者と被面接者の間に必要とされる。
問2)自己開示とは、他者に対して言語を介して伝達される自分自身に関する情報、及びその伝達行為をいう。自己開示は個人内の問題ばかりでなく、他者との関係の発展や衰退に役割を果たす。
問3)ロジャーズは、態度条件として①共感的理解②無条件の肯定的配慮③真実性を挙げている。真実性とは、役割行動や防衛的態度をとらず、自身の感情とその表現が一致していることである。

[469] 問1)3 問2)4

問題解説
問1)減算的バイリンガル教育の場合、子どもの言語能力はどちらの言語においても母語話者のレベルに達しないダブルリミテッドになることが多いという報告がある。加算的バイリンガル教育=付加的バイリンガル教育、減算的バイリンガル教育=除去的バイリンガル教育ともいう。
問2)エスノリンギスティック・バイタリティとは、民族語の活力のこと。

[470] 問1)2 問2)4 問3)4

問題解説
問1)相互教授法は字義通り、「相互に」「教えあう」ことを取り入れた教授法。
問2)ヴィゴツキー提唱の「発達の最近接領域」は、一人で問題解決が可能な現在の発達レベルと、一人では解決できないが援助を受けることによって達成可能な発達レベルのズレを意味する。学習は個人の中で起こるのではなく、周囲とのかかわりの中で起こり、発達すると考えられている。

[471] 問1) 4 問2) 4

問題解説
問1)4. は直接ストラテジーの一つで補償ストラテジーという。
問2)プライミング効果とは、先行して単語や図形が提示してあったときのほうが、認知の速さや正確さが促進される現象である。

[472] 問1)(1)4 (2)4 問2)3 問3)2

問題解説
問1)
(1)ヨーロッパ言語共通参照枠(CommonEuropeanFrameworkofReferenceforLanguages、略称CEF(R))は、ヨーロッパ域内の言語教育のシラバス、カリキュラム、教科書、試験の作成時および学習者の能力評価に共通の基盤を与えるために制定された。
(2)ヨーロッパ言語ポートフォリオ(EuropeanLanguagePortfolio略称ELP)は、ヨーロッパ言語学習記録帳とも呼ばれる。これを使えば、言語のあらゆる種類の学習体験を自己報告することで、学習者の複言語的な能力発達の道程を記録にとどめることができる。
問3)複言語主義、複文化主義を推進していくためには、もはや特定の母語話者をモデルとした言語教育観は採られない。たとえば、ある言語を用いて障害が生まれた場合、他の言語で所期の目的を達成させる。

[473] 問1)2 問2)3

問題解説
問1)1は発見学習、3は正統的周辺参加、4は観察学習の説明である。
問2)「負の転移」は対照分析の捉え方。誤用分析では、母語と学習言語との違いによって起こる間違いを「言語間エラー」、母語に関係ない間違いを「言語内エラー」と見る。

[474] 問1)1、4 問2)3

問題解説
問1)中国語は「音節高さアクセント」であることから、総じて日本語より上昇下降の頻度が高い。2.と3.は英語、5.はタイ語を母語とする日本語話者に見られる傾向である。
問2)アクセントは社会的慣習であり、体系的である。

[475] 問1)4 問2)4 問3)1

問題解説
問1)文化相対主義とは、どの文化も同列に位置づけ、相互に異質であっても優劣の違いはないとする考え方である。
問2)文化覚醒水準ともいう。自分の文化への自覚、自己への気づきで、自文化を他社の視点から「異文化」として眺めることができる視野の広さであり、柔軟性のことである。
問3)ギリシャ語で「判断停止」の意。自分の文化の物差しで価値判断できないときは、一旦態度を保留するということ。

[476] 2

問題解説
A=統合的動機づけ、B=道具的動機づけ
である。

[477] 問1)3 問2)2

問題解説
問1)ASEANとはAssociationofSouth-EastAsianNationsの略。「インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ」の5カ国によってバンコクで「東南アジア諸国連合設立宣言(通称「バンコク宣言」)」が採択され、設立された。
問2)加盟に際しては、中国国内の法整備や知的財産権などの問題もあったが、2001年11月、中国と台湾の加盟が承認され、巨大な市場を擁する中国、高度な産業技術を持つ台湾の加盟により、世界的な自由貿易体制は大きな節目を迎えることになった。

[478] 問1)2 問2)4 問3)3

問題解説
問1) 2. は転音のみ。他は転音+連濁。
問2) 4. のみ「状況」の「~によって」と受身の動作主の曖昧文。他は受身の動作主。
問3) 3. のみ他動詞の受身文。他は使役受身文。

[479] 問1)4 問2)3

問題解説
問1) TTTIとは「適正(特性)・処遇・課題交互作用」のこと
問2) 英語圏の学習者と特定しているので、問題の文意から英語と日本語という学習者の母語の違いによる誤用と考える。誤用分析の立場からなので、言語間の誤りとする。

[480] 問1)3 問2)4 問3)3 問4)4

問題解説
問1)1977年にアメリカのテリルによって提唱され、その後クラッシェンの第二言語習得の理論により体系化が行われた教授法。
問2)文化的同時モデルとも。第二言語習得は、文化変容の一側面であり、学習者がどの程度、自分自身を目標言語集団の文化に同化させるかによって習得の度合いが左右される。
問3)レネバーグは『言語獲得能力』(1964)で、言語(母語)の獲得には臨界期があると主張した。脳障害などで失語症になった子どもは、大人と異なり強い回復力を持っていることや言葉の発達はどんな言語であっても思春期までに、ほぼ完成することなどを挙げている。
問4)インターアクションとは、教師と学習者、あるいは学習者同士でのさまざまな情報のやり取りを指す。学習者によって積極的に作り出されたインターアクションは、インプットの理解可能化を促進する。

[481] 問1)2 問2)3

問題解説
問1)形式陶冶は学習内容の習得よりも、それを手段として精神的諸能力(記憶力、創造力、問題解決能力、判断力、推理力、…)の形式的な側面の育成を重視する。これに対して、実質陶冶とは、実質的な知識・技能の習得をいう。
問2)教師が期待をかけた生徒と期待をかけなかった生徒の成績の伸びを比較したところ、期待をかけた生徒のほうが高い伸び率を示したということから。

[482] 問1)2 問2)4 問3)1

問題解説
問1) 2は「重大な」の意味。他は「多い」の意味。
問2) 4は名詞と名詞の結合パターンで「対立」。他は類義成分を並列させたもの。
問3) 1は、ある動作が今にも行われようとする状態。他は物事を限定する意味を表す。

[483] 問1)4 問2)2 問3)3

問題解説
問1) 4は共同行為(~といっしょに)を表す。それ以外は相互行為(相手がいなければ成り立たない行為の相手を「と」で表す)を表す。
問2) 2は結果の状態。それ以外は動作の継続。
問3) 3は順次動作。それ以外は原因・理由。

[484] 問1)1 問2)3 問3)2

問題解説
問1)1は、長期記憶へ転送するためにチャンキングを行っている。他は、無転送リハーサル(維持リハーサル)である。
問2)発見学習では、学習者が知識の形成される過程を発見的に体得することが目標となる。発見する喜びで、内発的動機が高まるだけでなく、発見の技術の習得や、学習内容の保持などの利点がある。
問3)「転移」にはいくつかのレベルがあるが、母文化の規範を当てはめた場合は、「語用論的転移」といわれる。

4852 (2)1 (3)2

問題解説
(1) この2は物理的な「頭」。他は「考え、思考力、頭脳」の意。
(2) 1のみ「(水を)沸かした結果、湯になる」。他は「“名詞”が“動詞”」の型。
(3) 2のみ孤立語。他は膠着語である。

486 3 (2) 1 (3) 5

問題解説
(1) 3だけが原因・理由を表す。他は動詞で表される行為の付帯状況を表す。
(2) 1は、同一現象を異なる視点からとらえて表現したもの。他は、状態の変化が相反するもの。
(3) 「細い」の原義は棒状のものの幅が小さい、狭いというものだが、5は、語義が、量的にわずかでかすか、というものに転じている。

[487] 問1)3 問2)1

問題解説
問1)戸籍法(1871年)では、アイヌの存在を否定され「日本人(平民)」と記載された。「アイヌ文化振興法」では、アイヌの先住性に触れてはいるが、先住権は認めていない。
問2)マーシャル・プランではなく、開発途上国援助のための国際機関であるコロンボ・プランへの加盟が正しい。日本の援助金額の減少要因は、円安とアジアからの円借款が進んだことにあるが、ODA予算をめぐる使われ方の不透明性や利権化する事業が絶えないとの指摘がある。なお、ODAの対GNP比の国際目標は0,7%である。

[488] 問1. 4 問2. 2 問3. 2 問4. 1

問題解説
問2. 1998年の結果と比較するとオーストラリアと中国の順位が入れ替わった。2003年の統計結果では①韓国:894,131人②中国:387,924人③オーストラリア:381,954人となっている。

[489] 問1) 3 問2) 1 問3) 2
問題解説
問1)1と4は「動作の継続」を表す「~ている」になっている。2は「繰り返し」の「~ている」の用法である。
問2)「準備行為」の「~の前に~ておく」の用法の問題。1の例文は「状態保持」の用法で「そのまま~ておく」という意味合いで使われている。
問3)言語学上の分類では、謙譲表現には2種類ある。まず一つが「受け手尊敬表現」と呼ばれるもので「先生の鞄は私がお持ちした」のように、自己の受け手への行為をへりくだることにより受け手への尊敬の気持ちを表すもの。もう一つがこの問題で表した「謙遜表現」で「京都支社から参りました〇〇と申します」のように行為の受け手が存在せず、ただ単に自己の行為をへりくだる表現である。この「謙遜表現」で使われる動詞は限定があり、学習者にはそのことをしっかりと指導しないとこの問題のような誤文が発話されることになる。

[490] 問1: 1 問2: 4 問3: 2

問題解説
問1: 「波及効果」とはテストとして出題された課題や項目が学習者(教授者を含む)のその後の学習目標とされること。
問2: 「ストラテジー・トレーニング」は「学習者トレーニング」ともいう。学習成果があがらない原因の一つとして、学習に有効な、このストラテジー(学習方略・方法)を使っていないことがある。このような考え方に基づき実践される指導。「ビリーフ」とは学習者が持っている学習観のこと。
問3: TPRとはトータル・フィジカル・レスポンス(Total Physical Response)の略。アメリカの心理学者アッシャー(J. Asher)の理論による外国語教授法。教師の指示により学習者を行動させ身体の反応により言語の特徴を実感させる方法で「全身反応教授法、命令教授法」ともいわれる。

[491] 問1: 4 問2: 2

問題解説
問2: 「ハロー効果」とは「後光効果」ともいわれる。人や事物のある一つの特徴について一定の印象を受けると、その人、事物のほかのすべての特徴も、その印象で評価してしまうという測定誤差に関する用語である。

[492] ① 1 ② 4 ③ 3

問題解説
① 「コピュラ」とは「~です」・「~だ」に当たるもので、繋辞とも呼ばれる。
③ 「ご飯を食べる」のように、動作性の動詞の場合はル形(言い切りの形)でもって、未来の事象を表す。現在の事象を表す場合には「~ている」の形を用いる。

493 2 (2) 1 (3) 2

問題解説
(1) 2だけが「という」を省略することができる。
(2) 1のみは[n]が有声子音であり、母音の無声化が起こらない。
(3) 2のみが「こだち」(き[k-i]→こ[k-o])と「木」の母音が交替している。連濁という視点では答はでない点に注意。
494 4 (2) 4 (3) 3

問題解説
(1) 東京アクセントではアクセントの核(下がり目)は0か1である。
(2) 4だけが「恩師である田中先生(同格の「の」)。他は「~に関する」という意味を表す。
(3) 「あく(ak‐u)」に対応する他動詞は「あける(ak‐eru)」で[‐eru]を付加する。他はすべて、[‐asu]を付加した形態が他動詞となる。

[495] (1) 3 (2)①3 ②1

問題解説
(1) 評価についての問題。評価を時期的に見ると「診断的評価」「形成的評価」「総括的評価」に分けられる。「形成的評価」は学期途中で行われ、日々の学習者の学習習得状況についてチェックを行う。到達目標に対する学習者の到達度を測る。絶対評価で行われるのが一般的である。
(2) 
①学校文法では「謙譲表現」でまとめられる語についての問題。3 だけが、「動作の受け手が存在しない」謙遜表現。他は、動作の受け手に対してある行為が行われる受け手尊敬表現(謙譲表現)である。
②1 だけが対象格の「を」。その他は出所・通過点を表す「を」。

[496] (1) 2 (2)①4 ②3

問題解説
(1) 特になし
(2) ① 4 だけが継続(あるいは繰り返し)、他は結果の状態。
    ② 3 だけが「状態保持」、他は準備行為。

[497] ①e ②h ③a ④b ⑤d ⑥i

問題解説
「シンタクス」とは「統語」と訳される。「ジェンダー」とは社会的・文化的性差のこと。「状況語」とはコトガラの状況を示す語のことで、「いつ」「どこで」などを表す副次補語となる。

[498] (1)3 (2)4 (3)1

問題解説
(1) 3だけが「前回」という意味。その他は「次回」という意味で使われている。
(2) 「抜く」だけが他動詞。他は自動詞。
(3) 1だけが[m]。他は[n]。撥音は一般の日本人の意識としては一つのものであり、音素的にも/N/一つだが、実際の発話ではさまざまな異音として現われる。具体的には撥音に後続する音に影響され、いろいろな撥音が現われる(逆行同化する[後続音の調音点、調音者に対する同化現象])。

[499] (1)4 (2)2 (3)1

[500] (1) 2 (2) 4 (3) 3

問題解説
(1) 2.だけが「原因・理由」を表す。その他は「目的」。
(2) 「つ」だけが音声記号で表すと[t s w]となる。[・・]の中舌化の符号が示す通り、舌の中央部が口蓋に向かって盛り上がって発音される。
(3) 3.だけが順次動作。その他は「付帯状況(「  V  てくる」において、Vの動作が「来る」という動作の付帯の状況である)」の「~てくる」。

[501] (1)3 (2)4 (3)4

問題解説
(1) 3.以外は「持ち主の受け身文」。3.だけが「第三者の受け身文」。
(2) 4.以外は国字。4だけが形声文字。
(3) 4.以外は無標。すなわち、客観的な基準を示すが、4.だけは「軽い」ということを前提とした、すなわち有標の使い方をする。
[502] (1)①c ②a ③g (2)2

問題解説
(1)特になし
(2)日本語の音節数は、100~110程度と言われており(学者によって数え方が異なる)、英語や韓国語と比較してその数は著しく少ない。

[503] (1)4 (2)①-2 、②-2

問題解説
(1)母音の無声化の問題。無声子音の間の[i]、[w]の母音は無声化する。
(2) ① 「たら」の用法で、2 だけが予定行動。他は仮定の用法。
    ② 「らしい」の用法で、2 だけが「~として適当だ」という意味を表している。他は推量。

[504] (1)3 (2)4 (3)4

問題解説
(1) 3. 以外は「持ち主の受け身文」。3. だけが「第三者の受け身文」。
(2) 4. 以外は国字。4. だけが形声文字。
(3) 4. 以外は無標。すなわち、客観的な基準を示すが、4. だけは「軽い」ということを前提とした、すなわち有標の使い方をする。

[505] (1)4 (2)4 (3)3

問題解説
(1) 4以外はそれぞれの使役形の縮約形。4だけが「寝かす」という単独の語彙。
(2) スウェインとカナルの伝達能力を分解した際の下位項目の構成の問題。文法能力(この能力の中に語彙能力や音韻能力、統語能力なども含む点に注意)だけが単独。その文法能力を運用する能力が「社会言語学能力」「ストラテジー使用能力」「談話構成能力」の三つである。
(3) 3だけが有声摩擦。その他は無声摩擦。