#16. 文法体系

[268]次の格助詞に関する文章を読み、問に答えよ。
 「図書館にいる」と「図書館で勉強する」では、同じ場所を表すのに助詞が異なっている。つまり「に」は(1)の場所を表し、「で」は(2)の場所を表すのである。「いる・ある」などの(1)を表す動詞と共に用いられるのが「に」であり、(2)を表す動詞と結びつくのが「で」なのである。「に」も「で」も中国語の場合、いずれも「在」に当たるから、中国人にとってはその使い分けは難しいようだ。
 また、「働く」と「勤める」は同じような動詞に思えるが、「~で働く」「~に勤める」というふうに助詞に使い分けが行われるのは(3)と考えられるからである。

問1. 文中の(1)(2)に入る適当なものをそれぞれ一つ選べ。

  1. 対象
  2. 変化
  3. 存在
  4. 帰着点
  5. 手段
  6. 原因
  7. 状況
  8. 動作

問2. 文中(3)に入る適当なものを選べ。

  1. 「働く」が自律的な動作を表すのに対し、「勤める」は他律的な習慣を表す
  2. 「働く」が労働という動作を表すのに対し、「勤める」は所属を表す
  3. 「働く」が現場での動作をあらわすのに対し、「勤める」はデスクワークの状態を表す
  4. 「働く」が家事のようなある組織内での動作を表すのに対し、「勤める」は組織内だけでなく、企業体全体での状態を表す

[269]次の文章を読んで、後の各問に答えよ。
 修飾とは、ある語、句、節などの内容をより明確にするために別の語、句、節を付け加えて表現することである。節が名詞を修飾するときに、これを連体修飾節と呼び、修飾される名詞を底と呼ぶ。連体修飾節の中の述語部分と底が一定の補語の関係にあるものを、内の関係の連体修飾節、または(1)という。これに対し、連体修飾節の述語と底との間に直接的な補語の関係を持たないものを、外の関係の連体修飾節、または(2)という。

問1. 文中の(1)(2)に入れるのに適当なものをそれぞれ選べ。
(1)1. 同格節  2. 並列節  3. 補足節  4. 関係節
(2)1. 従属節  2. 内容節  3. 接続節  4. 非制限節

問2. 次の例の中で、相対節と呼ばれる連体修飾節を持ったものはどれか。
 1.  商店街を出た左側
 2.  蓮の花が咲いている絵
 3. おととし沖縄で撮った写真
 4. 子どものころに祖母から聞かされた話

[270]次の(1)~(4)について、下線部のような誤りを発話した学習者に対して、文法的な説明をする際、用いる例文として不適当なものを選べ。

(1) 【先生はもう教室に来ます】

  1. この道は右に曲がっています。
  2. 動物園の正門は閉まっています。
  3. 非常口の電気は点いています。
  4. バンコクからの最終便は到着しています。

(2) 【妹が受験すると、上京しました】

  1. 雨のために、試合が中止になりました。
  2. 進学するために、アルバイトをしています。
  3. 健康のために、毎日トレーニングしています。
  4. 日本のアニメを勉強するために、日本へ来ました。

(3) 【黒板で名前を書いてください】

  1. 壁に絵を掛けましょう。
  2. 牛乳は冷蔵庫に入れます。
  3. 将来は通訳になりたいです。
  4. 明日の朝、鹿児島に着きます。

(4) 【急に雨が降り出た】

  1. 春になり、桜が咲き出した。
  2. 正門が開くと、観客が走り出した。
  3. 知らせを聞いて、彼女は泣き出した。
  4. 台風の後、水が川から町に流れ出した。

[271]【 】内に示した観点から見て、他と性質の最も異なるものを、ひとつ選べ。

(1) 【「と」の用法】

  1. 今度彼女と結婚することになりました。
  2. うちのお兄ちゃんは弟とけんかばかりしている。
  3. 自動車が人とぶつかる事故はよく起こる。
  4. 来週、あこがれのAさんと食事をします。

(2) 【「可能文」の用法】

  1. 彼は100メートルを12秒で走れる。
  2. 私は記憶力が悪いので、一度に一つのことしか覚えられない。
  3. こんな不思議な味の料理はとても食べられない。
  4. 彼はフランス語もイタリア語も、もちろん英語も話せる。

(3) 【「~(さ)せられる」の用法】

  1. 今度の日本人人質事件では日本の外交のあり方を考えさせられた。
  2. 今日は休みだったのに、部長が急用があるというので無理やり会社に来させられた。
  3. 嫌いなものを食べさせられたなどという不平は、飢餓で苦しんでいる国の人からみれば、ぜいたくとしか言えないだろう。
  4. うちの母はきれい好きで、小さいころは毎日お風呂に入らせられて閉口した。

[272]次の文章を読んで、後の問いに答えよ。
日本語の動詞は様々な観点から分類される。
三上章は、受け身の形を作ることができるかどうかで( 1 )という分類を立てた。後に、彼はこの分類をさほど有効なものではないとしたようだが、日本語のノン・ネイティブにとっては直感的にわかるものではなく、辞書などにその区分を残すことは有効であると思われる。
この分類の持つ特徴とよく似たものにA動作性動詞と状態性動詞がある。またB無意志動詞も受け身形を持たないものが多く、三上章には、これらの区分のほうがより合理的に見えたため、自らの仮説を無価値なものとみなすようになったようだ。
金田一春彦は「ている」という形の意味、用法に着目して動詞の4分類を行った。松下大三郎や佐久間鼎がすでに指摘していた「ている」の違いを集大成したものと言える。この4分類の中に「状態動詞」というものがあり、前述の状態性動詞と重なり合うものが多いが、中には「状態性動詞ではあるが、金田一の唱える説の状態動詞ではない」という動詞もある。

問1 文中の( 1 )に入る最も適当なものを選べ。

  1. 能動詞と所動詞
  2. 主動詞と助動詞
  3. 本動詞と補助動詞
  4. 可能動詞と自発動詞
  5. 再帰動詞と非再帰動詞

問2 文中の下線部Aに関連した記述のうち、最も適当なものを選べ。

  1. 動作性動詞は、「~ました」または「~た(だ)」の形で、過去または現在を表す。
  2. 状態性動詞は、「~ます」または辞書の形で、習慣または未来を表す。
  3. 動作性動詞は、「~ます」または辞書の形で、習慣または未来を表す。
  4. 状態性動詞は、「~ました」または「~た(だ)」の形で、過去または現在を表す。
  5. 動作性動詞は、「~ます」または辞書の形で、現在進行または未来を表す。

問3 文中の下線部Bに関連した記述のうち、最も適当なものを選べ。

  1. 無意志動詞は、「~ない」の形で、否定推量を表す。
  2. 無意志動詞は、「~う(よう)」の形で、意志、意向を表す。
  3. 無意志動詞は、「~て(で)」の形で、命令を表す。
  4. 無意志動詞は、「~て(で)」の形で、願望を表す。
  5. 無意志動詞は、「~ます」の形で願望を表す。

[273]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と性質の最も異なるものを選べ。

問1) 【「ような」の用法】

  1. まるでカタツムリのような速さではあったが、とにかく完走した。
  2. おはぎのような甘いものが大好きです。
  3. アメリカ人のような英語がぼくにも話せたらなぁ。
  4. 目を見ていると、この人と結婚するような予感がした。
  5. 同窓生と話をしたら、中学生のときに戻ったような気がした。

問2) 【副詞の種類】

  1. これから発表するので、自分の番号を控えてください。
  2. 天気もいいし、しばらくそのあたりを散歩でもしてきます。
  3. はじめて見たときの驚きは一生忘れられないだろう。
  4. 長い間苦労して働いてきたが、とうとう報われる日が来た。
  5. 待ちに待ったテーマ・パークが、いよいよ明日開園する。

[274]次の文章を読み、後の問いに答えよ。
 日本語学習者が苦労させられる文法形式に助詞がある。それぞれがいろいろな用法を持つのだが、何より先に彼らが学ぶのが「場所」を表す用法である。
 まず、「研究室にいる」と「研究室で勉強する」では、同じ場所を表すのに助詞が異なっている。つまり、「に」は存在の場所であり、「で」は( 1 )の場所を表す。「いる・ある」などの存在を表す動詞と共に用いられるのが「に」であり、( 1 )を表す動詞と結びつくのが「で」である。「で」はこの他に「( 2 )の場所」を表すこともあるので、注意しなければならない。
 また、「働く」は「で」をとるが、「勤める」は「に」をとる。同じような動詞に思えるが、これらの使い分けがあるのは( 3 )からと考えられる。

問1) 文章中の( 1 )( 2 )に入る適当なものを選べ。

( 1 ):
1. 移動 2. 出来事 3. 状態 4. 動作 5. 目標

( 2 ):
1. 移動 2. 出来事 3. 状態 4. 動作 5. 目標

問2) 文章中の( 3 )に入る適当なものを選べ。

  1. 「働く」が意志的な動作を表すのに対し、「勤める」は無意志的な動作を表す。
  2. 「働く」が純然たる動作を表すのに対し、「勤める」は習慣を表す。
  3. 「働く」が現場での動作を表すのに対し、「勤める」は会社などの勤務を表す。
  4. 「働く」が労働という動作を表すのに対し、「勤める」は所属を表す。
  5. 「働く」が家事などの労働を含むのに対し、「勤める」は対価を伴う勤務を意味する。

[275]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。

問1) 【~中】の意味

  1. 運転中
  2. 工事中
  3. 練習中
  4. 故障中

問2) 【~ために】の用法

  1. 市民の安全のために努力した。
  2. 資格取得のために毎日勉強している。
  3. 事故防止のためにフェンスを設置する。
  4. 悪天候のためにキャンプを引き揚げた。

[276]次の文章を読み、後の問いに答えよ。
 日本語の文は性質の異なる二つの部分からできている。
  「きっと彼は忙しいんだろうね」という文において、意味の中心となる事柄(「彼が忙しい」こと)は、文の内側に現れている。これに対して、文頭の「きっと」や文末の「だろう」「ね」のように文の外側に現れる要素は、その事柄に何らかの内容を付け加えているわけではない。これらは事柄に対する話し手のとらえ方や伝え方といった主観的態度を表している。
  事柄的内容を表す部分は( 1 )と呼ばれ、話し手の主観的態度を表す部分は( 2 )と呼ばれる。日本語の文は、( 1 )が文の内側に現れ、それを( 2 )が包み込むような構造をしているのである。

問1) 文章中の( 1 )に入る最も適当なものを選べ。

  1. 公理
  2. 真理
  3. 命題
  4. 陳述

問2) 文章中の( 2 )に入る最も適当なものを選べ。

  1. モダリティ
  2. アスペクト
  3. テンス
  4. ラング

問3) 他と用法の異なる「わけだ」を一つ選べ。

  1. これで安心して眠れるというわけだ。
  2. 飛行機なら1時間で着くというわけだ。
  3. 彼女の父親は私の母の兄弟で、私と彼女はいとこ同士なわけだ。
  4. 上海生まれか。道理で中国語が上手なわけだ。

[277]次の文章を読み、後の問いに答えよ。
 日本語教育においては、どのような動詞がどのような A格助詞を伴った名詞句の組み合わせをとるかを知っておくことは重要である。
  動詞が自ら有している語彙的意味の類別に応じて、文の形成に必要な名詞句の組み合わせを選択的に要求する働きを、動詞の( B )という。
  動詞「死ぬ」では「男が死んだ」のようにガ格名詞だけでよい。それに対して「殺す」では「犯人が男を殺した」のようにガ格名詞とヲ格名詞が必要になる。

問1)文章中の下線部Aのことをどのように呼ぶか。

  1. 規定語
  2. 機能語
  3. 説明語
  4. 補足語

問2)文章中の( B )に入る最も適当なものを選べ。

  1. 相補度
  2. 格支配
  3. 共起性
  4. 結束性

問3)次の文のうち、「と」の用法が異なるものを選べ。

  1. 幼なじみと結婚する。
  2. 家族と相談して決める。
  3. 全国大会で強豪校と戦う。
  4. 返事がない者は欠席とみなす。

[278]次のそれぞれについて、【 】内の下線部のような表現をした学習者に対して、文法的な説明をする際、用いる例文として不適当なものを選べ。

問1) 【携帯電話をかけるまま道を歩く。】

  1. 左右を見ながら横断する。
  2. メモを取りながら話を聞く。
  3. ラジオを聞きながら勉強をする。
  4. 悪口を言われながら少しも怒らない。

問2)  【母に友達のメールが見られた。】

  1. スリに財布を盗まれた。
  2. キムさんに時間を聞かれた。
  3. 先生に料理をほめられた。
    4.バスの中で誰かに足を踏まれた。

[279]次のそれぞれについて、【 】内の下線部のような表現をした学習者に対して、文法的な説明をする際、用いる例文として不適当なものを選べ。

問1) 【急に雨が降りでた。】

  1. 桜が咲きだした。
  2. 赤ん坊が泣きだした。
  3. 始発電車が走りだした。
  4. 門から子どもが飛びだした。

問2) 【先生はさっき教室に来ます。】

  1. 正門は閉まっています。
  2. 窓ガラスが割れています。
  3. 玄関の電灯がついています。
  4. この道は右に曲がっています。

[280]次のそれぞれについて、【 】内の観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。

問1) 【受け身文の種類】

  1. ポチはみんなに愛された。
  2. 子どもが犬に助けられた。
  3. 見知らぬ人に話しかけられた。
  4. 父は母に玄関の鍵をかけられた。
  5. 係りの人からメッセージを渡された。

問2) 【連体修飾節の主語】

  1. 火災が起きる危険
  2. パンが焼けるにおい
  3. 田中さんが書いた論文
  4. 一般市民が死傷する事件
  5. 彼女が離婚したという話

[281]次のそれぞれについて、【 】内の観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。

問1)【「を」の意味】

  1. ついに合格した夢を見た。
  2. 廊下を走ってはいけません。
  3. 早く使いをよこしてください。
  4. あの応募者をどう思いましたか。
  5. 次の会議でこの問題を取り上げよう。

問2)【「です」の意味】

  1. 苦労の連続です。
  2. お金がないんです。
  3. 軽井沢は涼しいですよ。
  4. あの方がオーナーですって。
  5. あそこのお嬢さん,活発ですね。

[282]次の各問の下線部の文法項目を導入する際に提示する例文として、最も不適当なものを選べ。

問1) 生還者に質問をしても下を向くばかりで何も答えない。

  1. ダイエットのためとはいえ、節食してばかりいるのは体によくない。
  2. 海外から来たばかりで、まだ住むところも見つかっていない。
  3. あの議員は自分がしゃべるばかりで人の言うことを聞こうとしない。
  4. 試験の対策はすべて終わった。後は明日の試験を待つばかりだ。

問2) 試験のときぐらいは勉強をするものだ。

  1. 周りに迷惑をかけないように早めに準備するものだ。
  2. 困ったときはお互いに助け合うものだ。
  3. 来賓が話しているときは静かにするものだ。
  4. あのコンテストに入賞したとは、よく練習したものだ。

問3) 田舎の幼友達が久しぶりに電話してきた。

  1. お墓の勧誘の人がしつこく話しかけてきた。
  2. 頼んでいた引越しの手伝いを知人が断ってきた。
  3. 大学院の研究室に行って専門書を借りてきた。
  4. ゼミの後輩が進学のことで相談してきた。

[283]次の文章を読み、後の問に答えよ。
格助詞には「が、の、に、を、と、へ、より、から、まで、で」等があると言われているが、「が」は動作主・状態主を示すか、「~が欲しい」「~が~たい」などの文型を取って希望の対象を示す。
また、「の」は体言の二者関係という特殊な機能で、他とは別個に扱うべき助詞であろう。つまり、「の」は他の格助詞と異なり、(1)をつかさどる。「AのB」の形で、Bに対するさまざまな関係を示すのであるが、Bそのものだけでは漠然とした概念をAによって意味限定する。

問1)「水が欲しい」「お金がいる」などの「水が」「お金が」を指す文法用語として、「対象語」という術語を提唱した学者は誰か。

  1. 時枝誠記
  2. 三上章
  3. 金田一春彦
  4. 橋本進吉

問2)文章中の(1)に入る最も適当なものを選べ。

  1. 題目
  2. 居体言
  3. 連体修飾
  4. 所有格
    問3)次の「体言+の+体言」の意味が、他と最も性質の異なるものはどれか。
  5. 賛成の方
  6. 横浜の友人
  7. 花見見物の客
  8. 上位入賞の選手

[284]次の文章を読み、後の問に答えよ。
 語には、一つの要素だけからなるものと、複数の要素からなるものがある。複数の要素からなるものについては、一つの語の中でどのような要素がどのような関係で結合しているか、ということが問題となる。
 文中での働きの違いに応じて形を変える語、すなわち語形変化をする語を活用語という。例えば「食べる」という語は、「食べろ」「食べよう」「食べれば」のような種々の形で用いられる。
  また、ある語に接辞などが付加してできる語を(1)という。例えば「寒(い)」に「さ」という要素が付くと、「寒さ」という語ができる。

問1)文章中の(1)に入る適当なものを選べ。
1. 膠着語  2. 複合語  3. 状況語  4. 派生語

問2)次の動詞のうち、母音語幹動詞はどれか。
1. 切る  2. 要る  3. 帰る  4. 寝る

問3)次の動詞の音便のうち、例外として扱われることがあるものはどれか。
1. 会って  2. 行って  3. 立って  4. 取って

[285]次のそれぞれの文について、下線部のような表現をした学習者に対して、文法的な説明をする際、用いる例文として不適当なものはどれか。

問1) 眠らないでコーヒーを飲みます。

  1. 合格できるように勉強します。
  2. 弟が起きないように静かにします。
  3. 先生が言うように復習が大切です。
  4. 大学で困らないように日本語を勉強します。

問2) 日光に猿の村がいます。

  1. あの公園に野球場があります。
  2. 学校は東京の郊外にあります。
  3. 昼からお祭りの行進があります。
  4. この村には昔の遺跡があります。

[286]次のそれぞれの文について、下線部のような表現をした学習者に対して、文法的な説明をする際、用いる例文として不適当なものはどれか。

問1)この料理はおいしそうに見ます。

  1. 彼女はとても若く見えます。
  2. 屋上から星がよく見えます。
  3. 赤ちゃんは元気そうに見えます。
  4. 明るいために部屋が広く見えます。

問2)1時になれば、受付へ行ってください。

  1. バスが来たら、乗ってください。
  2. 駅に着いたら、学校へ電話してください。
  3. ご飯を食べたら、すぐ出かけてください。
  4. 電話があったら、メモをとっておいてください。

[287]次のそれぞれの文の、学習者による下線部の誤用を訂正する際に示す例文として最も不適当なものはどれか。

問1)【小野っていう人は、どうやら中学生そうです。】

  1. 明日は暑いようです。
  2. 山田さんは昨日何かいいことがあったようですね。
  3. この話の実現は無理なようですね。
  4. サントスさんが怒った顔は鬼のようです。
  5. 空が暗くなってきたし、雨が降るようです。

問2)【山から鳥の声が聞きます。】

  1. 赤ん坊の泣き声が聞こえます。
  2. 水の流れる音がかすかに聞こえます。
  3. 誰かが2階から下りてくる足音が聞こえます。
  4. 山田さんの声はとても優しく聞こえます。
  5. 爆発の音は、午前3時ごろ聞こえました。

問3)【空港に着けば、連絡をください。】

  1. 連絡が取れなかったら、メモを残してください。
  2. 9時になったら、起こしてください。
  3. その仕事が終わったら、パソコンを貸してください。
  4. 用意ができたら、呼んでください。
  5. 雨がやんだら、窓を開けてください。

[288]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。

問1)【「いらっしゃる」の用法】

  1. 今日のお嬢様は、いちだんときれいでいらっしゃいますこと。
  2. 山田先生は、10分ほど遅れていらっしゃるそうです。
  3. 札幌へいらっしゃったときは、ぜひお立ち寄りください。
  4. お正月は、どこかへいらっしゃいましたか。
  5. 今度、先生が上海へいらっしゃるときは、私もお供で行かせていただくことになった。

問2)【受身のタイプ】

  1. 彼女は他人の悪口を言わないので先生にほめられた。
  2. 彼女は師匠に生け花が上手だとほめられたことがある。
  3. 彼女は審査員に演奏をほめられた。
  4. 彼女は会長に商品がヒットしたことでほめられた。
  5. 彼女は一度も親にほめられたことがない。

問3)【「~がある」の種類】

  1. きのう、妹の結婚式がありました。
  2. 意外にも毎年、航空機の墜落事故があります。
  3. 昨夜遅く、近所で火事がありました。
  4. 今朝まで裏の駐車場に白い外車がありました。
  5. 明日、上半期の支店長会議があります。

[289]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。

【縮約形】

  1. 驚かす
  2. 喜ばす
  3. 笑かす
  4. 怒らす
  5. 泣かす

[290]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。

【「によって」の用法】

  1. この交響曲は,ベートーベンによって作曲された。
  2. この道路は,地震によって切断された。
  3. 江戸城は,家康によって建てられた。
  4. 名前は,国によって自由に変えられる。
  5. その人の国籍は,条約によって奪われた。

[291]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。

【疑問文の用法】

  1. もう一回り小さいサイズがありますか。
  2. 先ほど、電話をくださいましたか。
  3. これはあなたの本ですか。
  4. 窓を開けていただけますか。

[292]次の【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【「…きな」で終わる連体修飾語】

  1. 物好きな男
  2. 大きな時計
  3. すてきなドレス
  4. のんきな性格
  5. 前向きな姿勢

[293]次の【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【名詞修飾】

  1. 私たちが歩いている横を自転車がすり抜けていった。
  2. アメリカから帰国した翌月に仕事が決まった。
  3. 子どもたちが喜ぶ光景が目に浮かぶ。
  4. 遊びに行った帰りに、交通事故に遭った。
  5. 彼女が振りむいた向こうに追手の姿が見えた。

[294]次の【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【「ば」の用法】

  1. この仕事は年内に仕上がれば上出来だ。
  2. 雨が降れば、バーベーキューは中止です。
  3. 新機能は魅力的だが、高ければ買わないよ。
  4. 父は夕方になれば、散歩に出かける。
  5. 一生懸命頑張れば、必ず報われるよ。

[295]次の【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【「…は…が」の構文】

  1. あのクラスは学生が優秀だ。
  2. あのクラスは半数が欠席だ。
  3. あのクラスは教室がきれいだ。
  4. あのクラスは全員が中国人だ。
  5. あのクラスは山田先生が担任だ。

[296]次の文章を読み、各問いに答えよ。

【節の構造】
 単文は一つの節でできているが、複文は二つ以上の節からなる。複文には主節が一つあり、他は全て従属節である。
 複文において、主節にはさまざまな文法カテゴリーの形式が出現しうる。「先輩に聞いた話では、花子は遅くまで片付けさせられていたらしいよ。」という文の述語部分には、順番にヴォイス、アスペクト、テンス、Aモダリティが出現している。現れるカテゴリーは、この他に肯否、丁寧さがある。
 しかし、従属節の場合、これらの文法カテゴリーの出現に制限がある。「~ながら」「~つつ」などの形式を取る副詞節では、 (ア) は出現するが、それより後の文法カテゴリーは出現しない。「~れば」「~と」「~たら」などの形をとる条件節では、ナラ節を除いてテンスは出現しない。
 このように、節の種類によって取りうるカテゴリーが異なるが、これらからその文的度合・従属度が分かる。上述の副詞節は、最も (イ) 従属節である。

問1)文章中の下線部A「モダリティ」について述べたもののうち、最も適当なものを次の1~4の中から一つ選べ。

  1. モダリティは、認識のモダリティと伝達のモダリティに分けられる。
  2. モダリティは、認識のモダリティと対事的なモダリティに分けられる。
  3. モダリティは、ムードとも呼ばれ主に客観的な素材を伝達する。
  4. モダリティは、ムードとも呼ばれ文法形式によってのみ表現される。

問2)文章中の (ア) に入れるのに最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
1. ヴォイス  2. アスペクト  3. テンス   4. 肯否

問3)文章中の (イ) に入れるのに最も適当なものを、次の中から一つ選べ。

  1. 文的度合が高い
  2. 従属度が高い
  3. 独立度が高い
  4. 統合度が高い

[297]次の文章を読み、各問いに答えよ。

【判定詞の連体形】
 「トムは留学生{だ/である/です}」のように、名詞と結合して述語を作る「だ」「である」「です」は判定詞と呼ばれ、「だった」「で」などのように活用する。現在肯定を表す判定詞の連体形は「の」または「な」となる。
 判定詞の連体形の「の」は、 (ア) の「の」と呼ばれる。

  ①社長の田中さん ← 社長{だ/である/です}+田中さん

  ②父親が俳優の佐藤さん ←父親が俳優{だ/である/です}+佐藤さん

 例文①のような「名詞+の+名詞」という形は、助詞の「の」で2つの名詞を接続するときと見かけの形が同じであるため、学習者にとっては区別が困難である。
 また、形式名詞「の」および「のだ」「ので」「のに」に接続するときは、「な」という活用形になる。

  ③明日は休みなのです。

  ④明日は日曜なのに、出勤です。

 この「な」も、見かけの形式が同じものがあるので注意が必要である。

問1)文章中の (ア) に入れるのに最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
1. ノ格    2. 主格    3. 同格    4. 対格

問2)判定詞の「の」の用例として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。

  1. 恋人の山田さん
  2. 恋人の好み 
  3. 恋人のお母さん
  4. 恋人の部屋

問3)判定詞の「な」の用例として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。

  1. 彼は流行に敏感なので、周りの評価も高い。
  2. 私には教師は天職なので、転職するつもりはない。
  3. 店長が有名なので、あの店はいつも満員です。
  4. 彼はいつも無愛想なので、誤解されやすい。

[298] 【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。

【形容詞・形容動詞の連用形】 

  1. この欄の中に名前を大きく書いてください。
  2. 電話料金を振り込むのをきれいに忘れていた。
  3. ばれないように教室から静かに抜け出した。
  4. 理由を彼女に詳しく説明してください。
  5. その日は,家までの道のりが遠く感じられた。

[299]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。

問1) 【「~きな」で終わる連体修飾語】

  1. 前向きな態度  
  2. すてきなガイド  
  3. 物好きないとこ
  4. のんきな弟
  5. 大きな城

問2) 【「と」の用法】

  1. 春になると、たくさんの人が花見に出かけます。
  2. このボタンを押すと、おつりが出ます。
  3. 布団に横になると、すぐ寝てしまいました。
  4. 零下以下に冷やすと、氷になります。
  5. この商品は季節が変わると、売り上げが落ちます。

問3) 【「さえ」の用法】

  1. 田中さんは家の修繕費がかさんで、とうとう自分の退職金さえ使ってしまった。
  2. タバコの火さえ消していれば、こんな大きな山火事にならなかったのに。
  3. 校外学習のきょうは、常習犯の山田さえ遅刻せずにやってきた。
  4. 父母たちは子どもの帰りを心配して、真冬の海岸へさえ見回りに出かけた。
  5. 実技試験に失敗した一郎は、恋人の牧子にさえ電話をかけられなかった。

[300]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。

問1) 【「で」の用法】

  1. 式典は学校の中で行われました。
  2. 映画館で乱闘騒ぎがあったらしい。
  3. 文学賞の受賞を学校中で祝いました。
  4. 大雨の後、水かさが増えたため、川で泳げなくなった。
  5. 腹が減ったので、駅のプラットホームで弁当を食べた。

問2) 【「~は~が~」構文の種類】

  1. その健康食品は成分が秘密でした。
  2. その事故は厚生労働省が監督庁だ。
  3. あの計画は社長が発案者だった。
  4. その芝居は田中さんが主役です。
  5. この戦争は誤解が原因である。

問3) 【タ形の意味】

  1. 火を消した後に入れる。
  2. 変な服装をした男がいる。
  3. 鉛筆を忘れたとき貸してくれた。
  4. さっき、間違えて押した人はいませんか。
  5. 申込用紙を出した方は、右の部屋でお待ちください。
    [301]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と性質の最も異なるものを選べ。

(1) 【「を」の意味】
1. 川を渡る。
2. 山を越す。
3. 大空を飛ぶ。
4. 道を横切る。
5. 東京を離れる。

(2)  【「ものだ」の意味】
1. 親の忠告は聞くものだ。
2. 困ったときは助け合うものだ。
3. あのチームは見事に優勝したものだ。
4. 試験のときぐらいは勉強をするものだ。
5. そんなときは何も聞かずにいてあげるものだ。

(3)  【受身文の種類】
1. 子どもが犬に助けられた。
2. 父は母に玄関の鍵をかけられた。
3. 純一は先輩に花子を紹介された。
4. 知事によってテープがカットされた。
5. 太郎は彼女に婚約指輪をつき返された。

[302]次の文章を読み、問に答えよ。
 アスペクトを表す形式の一つに「動詞連用形+(~はじめる、~つづける、~おわる)」のような、動きの開始、継続、終結などを表す複合動詞がある。ほかにも「~ところだ」、「動詞意志形+(~とする、~としている)」、「~たばかりだ」、「動詞連用形+~つつある」などもある。

問1) 「~だす」の意味が、他と性質の異なるものを選べ。

  1. 電車が動きだす。
  2. 急に雨が降りだす。
  3. 赤ちゃんが歩きだす。
  4. 幼児が道路に飛びだす。

問2) 「~つづける」の意味が、他と性質の異なるものを選べ。

  1. 本家○○の看板を掛けつづけた。
  2. ゴールまで懸命に走りつづけた。
  3. 小さい頃の思い出を話しつづけた。
  4. 岸に着くまでボートを漕ぎつづけた。

問3) 「~ところだ」の意味が、他と性質の異なるものを選べ。

  1. ちょうど出掛けるところだ。
  2. 犬が子を産んだところだ。
  3. 故郷は関西の県庁のあるところだ。
  4. 今ガイドブックを読んでいるところだ。

[303]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。

問1) 【「~さえ」の用法】

  1. 田中さんの家は修繕費がかさんで、とうとう自分の退職金さえ使ってしまった。
  2. タバコの火さえ消していれば、こんな大きな山火事にはならなかったのに。
  3. 校外学習のきょうは常習犯の山田さえ遅刻せずにやってきた。
  4. 父母たちは子どもの帰りを心配して、真冬の海岸へさえ見回りに出かけた。
  5. 実技試験で失敗した純一郎は、恋人の牧子にさえ電話をかけられなかった。

問2) 【「いらっしゃる」の用法】

  1. 「今日のお嬢様は、いちだんとおきれいでいらっしゃいますこと。」
  2. 「山田先生は、10分ほど遅れていらっしゃるそうです。」
  3. 「札幌にいらっしゃったときは、是非お立ち寄りください。」
  4. 「お正月はどこかへいらっしゃいましたか。」「ええ、ちょっと台湾まで。」
  5. 「今度工藤先生が上海へいらっしゃるとき、私もお供で行かせていただくことになっているのよ。」

問3) 【「~がある」の種類】

  1. きのう、妹の結婚式がありました。
  2. 意外にも毎年、航空機の墜落事故があります。
  3. 昨夜遅く、近所で火事がありました。
  4. 今朝まで裏の駐車場に白い外車がありました。
  5. 明日、上半期の支店長会議があります。

[304]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。

問1) 【疑問文の用法】

  1. 悪いけど、もう一回り小さいサイズがありますか。
  2. 先ほど、お電話をくださいましたか。
  3. 申し訳ありません。これはあなたのですか。
  4. 失礼ですが、あなたは日本人ですか。
  5. すみません。窓を開けていただけますか。

問2) 【「~と」の用法】

  1. 春になると、たくさんの人が花見に出かけます。
  2. このボタンを押すと、おつりが出ます。
  3. 布団に横になると、すぐ寝てしまいました。
  4. 零度以下に冷やすと、氷になります。
  5. この商品は季節が変わると、売上が落ちます。

問3) 【「~ては」の用法】

  1. 祖母は位牌を見てはため息をついていました。
  2. このような高価なものをいただいてはかえって困ります。
  3. その子はいつも面白いことを言ってはみんなを笑わせる。
  4. コーチは選手一人一人のタイムを測っては記録していった。
  5. 冬の海だ。波が寄せては返す。

[305]次の文章を読み、問いに答えよ。
 文を成立させる要素に二つのものを区別する考え方がある。例えば、寺村秀夫は『日本語のシンタクスと意味』で、「コト」と「 ① 」に分けており、仁田義雄は『日本語のモダリティと人称』で、客体的な部分である「言表事態」と、話し手の立場からのかかわりを表す「 ② 」とに分けている。

問1) 文章中の「①」「②」に入る適当なものを選べ。
: 1. ムード  2. テンス  3. アスペクト  4. ダイクシス
: 1. 言表態度  2. 言表陳述  3. 言表職能  4. 言表叙述
 
問2) 次の文の「ものだ」の意味が、他と最も異なるものを選べ。

  1. あの難関をよく突破したものだ。
  2. 試験のときぐらいは、勉強をするものだ。
  3. そういうことは、事前に伝えておくものだ。
  4. 道で会ったら、挨拶ぐらいするものだ。
    [306]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と性質の最も異なるものを選べ。

(1)【「~よ」の用法】

  1. 早くしないと遅れるよ。
  2. 昨日は本当に疲れたよ。
  3. これ、塩を入れるとおいしいよ。
  4. 遅くなるから早く行こうよ。

(2)【受身の種類】

  1. 満員電車の中で財布をすられました。
  2. 警官に呼び止められたが、無視した。
  3. 後ろから押されて、列の一番前に出てしまった。
  4. 代表に選ばれて、みんなの前で挨拶をしました。

(3)【「~ている」の意味】

  1. 被害者は、会社からまっすぐ家に帰っています。
  2. ここでは、去年の初めに何度も小さな地震が起きている。
  3. 私は去年から日本語学校で日本語を教えています。
  4. あの子の両親は、あの子が5歳のときに離婚している。

[307]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と性質の最も異なるものを選べ。

(1) 【常用漢字表中の国字】
 1 杉  2 働  3 搾  4 匁  

(2)【「ある」の用法】
  1 彼には素晴らしい才能があります。
  2 この道の突き当たりに立派な松の木があります。
  3 テレビの下にDVDプレーヤーがあります。
  4 机の上にはりんごがあります。

(3)【連体修飾節の類型】
  1 ここが昨日泥棒が侵入した窓です。
  2 あっ、今降りたバスに傘を忘れた。
  3 さっき手帳を出したカバンを取ってください。
  4 マイナスイオンが噴きだすエアコンはこれですか。
[308]次のそれぞれについて、【 】内の観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。
(1) 【複合語の成り立ち】
 1 酒ぶとり  2 日焼け  3 砂遊び  4 雨やどり

(2) 【熟語の構成】
 1 視聴覚  2 許認可  3 政財界  4 輸出入

(3) 【「の」の種類】
  1 誰が言ったの。
  2 あなたも食べたいの。
  3 いつから休むつもりなの。
  4 私も、どこかへ行きたいの。
 
[309]次の(1)~(3)について、【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。

(1) 【「させる」の意味】
 1. 犯人は人質に手を挙げさせた。
 2. 交通事故で一人息子を死なせた。
 3. 先生は生徒に意見を言わせた。
 4. 妻は夫を仕事に行かせた。

(2) 【「とても」の用法】
こんなことも知らなかったなんて、とても情けない。
こんな重大なことは、とても隠しとおせない。
こんな大きな息子がいるなんて、とても思えない。
こんなにたくさんの料理は、とても食べきれない。

(3) 【「目」の意味】
  1. 目をかける
  2. 目をやる
  3. 目をそらす
  4. 目をとめる

[310]次の文章を読んで、問に答えよ。
連体修飾の底となる名詞は定型化して、いろいろな用法が生じた。その類型を考えるとおおむね次の3種のものが考えられる。
  第1は、底の名詞が形式化して、名詞としての実質的な意味よりも、前節と後節を結びつける役割のほうに重点が移っているケースである。つまり、(①)に近い性質になってくるのである。
  第2は、底の名詞の意味がまったくなくなって、機能語のようになっている場合である。「こと」「の」などは修飾節全体を名詞として文の一部にする機能を持っていると考えてもよい。
  第3は、ある種の形式名詞は、文末における(②)の表現になっているということが挙げられる。

問1 文章中の(①)(②)に入る適当なものをそれぞれ選べ。
  1.係助詞  2.間投助詞  3.接続助詞  4.並立助詞
②  1.ヴォイス  2.みとめ方  3.アスペクト  4.モダリティ

問2 文章中の下線部に関して、「の」の用法が、他と性質の最も異なるものを選べ。
   1.漢字を覚えるのは難しい。
   2.子どもが遊んでいるのが見える。
   3.田中さんは朝早く起きるのが苦手だ。
   4.太郎は大学院へ進学するのを諦めた。

[311]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。

【「…です」の意味】

  1. 苦労の連続です。
  2. 時間がないんです。
  3. 山の上は涼しいですよ。
  4. あの方がご主人ですって。
  5. あそこのお嬢さん,活発ですね。

[312]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。

【「同じ」の意味】

  1. 今も昔も同じだ。
  2. 父親と同じに振舞う。
  3. 同じ東京でもここは閑静なところだ。
  4. どこにも同じような話があるものだね。
  5. 同じ行くなら,初めてのところに行きたい。

[313]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。

【「の」の用法】

  1. 漢字を覚えるのは難しい。
  2. あれよりもこっちのがいい。
  3. 姉は朝早く起きるのが苦手だ。
  4. 飛行船が飛んで行くのが見えた。
  5. 祖母がタクシーに乗るのを手伝った。

[314]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。

【「です」の種類】

  1. 宿題はこれだけです。
  2. 今日の海は静かですね。
  3. お兄さんは背が高いですね。
  4. 八重山さんは沖縄出身ですよ。

[315]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。

【「に」の意味】

  1. 信号が赤に変わった。
  2. 彼と友達になった。
  3. 彼女も大人になったね。
  4. 芝居で刑事に扮した。
  5. 幼馴染に恋をした。

[316]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。

【「~は~が】構文】

  1. 弟は髪の毛が短い。
  2. この本は先生がくれた。
  3. あの店は肉料理がおいしい。
  4. 彼女は服装が奇抜だ。
  5. 香川県はうどんが有名だ。

[317]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。
【「で」の品詞】

  1. パソコンで表を作った。
  2. ここで二手に別れよう。
  3. みんな元気で過ごしている。
  4. 強風で大幅に電車が遅れた。
  5. 急ぎ足で立ち去って行った。

[318]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。

【活用】

  1. 小さな
  2. 大きな
  3. 細かな
  4. おかしな
  5. 静かな

[319]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。

【動詞の自他】

  1. 再開する
  2. 結合する
  3. 批判する
  4. 解散する
  5. 実現する

[320]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。

【自他動詞の形態】

  1. 輝かす
  2. 驚かす
  3. 響かす
  4. 動かす
  5. 散らかす

[321]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。

【動詞の意志性】

  1. 見限る
  2. 見守る
  3. 見渡す
  4. 見逃す
  5. 見出す

[322]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。

【「に」の意味】

  1. 父に論語を教わった。
  2. 友達に数学を教える。
  3. 学校に電話をかけた。
  4. 叔母に結婚の報告をした。
  5. 兄に就職祝いを贈った。

[323]次の文章を読み、各問いに答えよ。
日本語の受身文は,大きく直接受身文と間接受身文に分けられる。直接受身文は,「犬が子どもに拾われた」のように,能動文(「子どもが犬を拾った」)の目的格が受身文の主格になるものであるが,直接受身文はヲ格だけではなく,「犬が子どもにかみついた」のようにAニ格成分を持つ能動文からも作ることができる。
一方,間接受身文は,「母親は子どもに泣かれた」のように,主語の位置に立っている「母親」が,元の能動文(「子どもが泣いた」)に含まれていない受身文をいう。
間接受身文には,自分の所有する物や身体の一部が影響を受けたことを表す文もある。「私はスリに財布を盗まれた」のような文で,これは元の能動文「スリが私の財布を盗んだ」の中にある「財布」の所有者である「私」が主語になっている。他に「(ア)」のような文も同様で,これらは(イ)と呼ばれている。

問1)文章中の下線部Aの例として最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 今朝早く空港に到着した。
  2. クマが猟師に襲いかかった。
  3. 荷物は家に届けてください。
  4. ようやく信号が青に変わった。

問2)文章中の(ア)に入れる例として最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 電車で隣の人に足を踏まれた。
  2. 妻に実家に帰られてしまった。
  3. 可愛がっていた愛犬に死なれた。
  4. 猫がネズミに追いかけられている。

問3)文章中の(イ)に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 第三者の受身
  2. 迷惑の受身
  3. 所有の受身
  4. 非情の受身

[324]次の文章を読み、各問いに答えよ。
日本語における連体修飾節の分類には,構造の観点からによるものと,機能の観点からによるものの二つに分けられる。構造の観点からは,連体修飾節と被修飾名詞(底)との間にどのような関係があるかによって分けられる。一つは,(ア)のように,連体修飾節の中に被修飾名詞を格成分として入れられるもので,(イ)の連体修飾という。もう一つは,連体修飾節と被修飾名詞との間に特定の格関係がないもので,これはさらに(ウ)と(エ)に分類される。
機能の観点からは,連体修飾節が被修飾名詞の意味に制限を加えているかどうかで,限定用法と非限定用法に分類される。非限定用法とは,(オ)のように名詞修飾節の有無が被修飾名詞の意味に影響が無いものである。

問1)文章中の(ア)に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 魔法使いが活躍する映画
  2. 少年が船乗りになる漫画
  3. 子どもが笑っている写真
  4. 学生時代に作曲した音楽

問2)文章中の(イ)に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 外の関係
  2. 内の関係
  3. 二項関係
  4. 上下関係

問3)文章中の(ウ)と(エ)に入れるのに最も適当な組み合わせを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. (ウ) 関係節   (エ) 内容節
  2. (ウ) 内容節   (エ) 相対節
  3. (ウ) 相対節   (エ) 関係節
  4. (ウ) 内容節   (エ) 関係節

問4)文章中の(オ)に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 日本一の山である富士山
  2. 韓国から帰国した翌年
  3. ドイツで買ったペン
  4. 中国で知り合った人

[325]【 】内に示した観点から見て,他と性質の最も異なるものを一つ選べ。

【「なんて」の機能】

  1. 一夜漬けなんて,やっても無駄ですよ。
  2. 生肉なんて,気持ち悪くて食べられません。
  3. あの人となんて,絶対に結婚したくありません。
  4. カラオケに行ったことがないなんて,信じられない。
  5. 友達が困っているのに,じっとしてなんていられません。

[326]次の文章を読み,下の問いに答えよ。
出来事を「開始から終了までひとまとまりのこととしてとらえるか,それとも開始・動作(変化)・完了・結果といった時間の流れに沿って段階的にとらえるか」といった,出来事の内的時間に関する文法的カテゴリーを(ア)という。
日本語では「雨が降っている」のように,動詞に,元来動詞であった「いる」を補助的に後接させて継続を表す。これを「補助動詞」といい,この他に「(置いて)ある」「(食べて)しまう」「(消えて)いく」などがある。
たとえば,「~ている」が表す継続には,ある動作が始まってそれがまだ終わらずに続いているという場合と,「(イ)」のように,ある事が瞬間的に実現(開始,終了)して,その結果の状態が今,眼の前にあることをいう場合の二通りがある。
(平成13年度)

問1)文章中の(ア)に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. テンス
  2. ムード
  3. ヴォイス
  4. アスペクト

問2)文章中の(イ)に入れるのに不適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. この魚は死んでいる。
  2. 2階の窓が開いている。
  3. ろうそくの火が消えている。
  4. 太郎は先月から卒論を書いている。

問3)動詞を「~ている」に基づいて四つに分類したのは誰か。最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 三上章
  2. 寺村秀夫
  3. 奥津敬一郎
  4. 金田一春彦

[327]次の格助詞に関する文章を読み,下の問いに答えよ。
助詞の「を」は目的語を表すと簡単に言ってしまう場合があるが,もし「を」が目的語を表すとするなら「商店街を歩く」の「商店街」は目的語ということになってしまう。
また,目的語は「を」で表されるとすれば「飼い犬が主人にかみついた」の「主人」は目的語でないことになってしまう。
「商店街を歩く」のような「を」の使い方は,ある動詞のタイプにしか見られないことが分かる。これらの動詞は一般に(ア)と呼ばれる。
さらに,「を」は必ずしも行為や作用の対象とは限らず,(イ)などの結果を表す場合や,「一位を争う」「優勝を狙う」のような目標を意味する例もみられる。

問1)文章中の下線部の動詞の組み合わせとして,最も適当なものを,次の1.~4.の中から一つ選べ。

  1. 「出る」と「渡る」
  2. 「飛ぶ」と「渡る」
  3. 「出る」と「降りる」
  4. 「飛ぶ」と「降りる」

問2)文章中の(ア)に入れるのに最も適当なものを,次の1.~4.の中から一つ選べ。

  1. 移動動詞
  2. 形状動詞
  3. 継続動詞
  4. 動作動詞

問3)文章中の(イ)に入れるのに最も適当なものを,次の1.~4.の中から一つ選べ。

  1. 工事を急ぐ
  2. 時を費やす
  3. 湯を沸かす
  4. 子どもを泣かす

[328]文章中の(1)~(7)に入れるのに最も適当なものを,それぞれの1~4の中から一つずつ選べ。

日本語の動詞の活用はかなり規則的な方であるといえよう。それでも個別にみていくと,若干の不規則な部分があることはよく知られている。
一段動詞か五段動詞の2種の活用は,基本的にはそれぞれ一定の規則によって得ることができる。しかし,一部の動詞の一部の活用形については,その規則が適用できなく,他の形を使わなければならない場合がある。
それは,次のような場合である。
(a) 「~マス」形については,(1)が例外になる。
(b) 「~ナイ」形については,(2)が例外になる。
(c) 「~テ」形については,(3)が例外になる。また,(4)のような動詞も例外になる。
(d) 「話セ」「食ベロ」のような命令形については,(5)などが例外になる。
一方,ある動詞のある活用形が,実際には現れないという場合がある。
(e) 「読マレル」「見ラレル」のような受身の形は,(6)では使われない。
(f) 「読ミタイ」「見タイ」のような「~タイ」の形は,(7)では使われない。

(1) 1. 「禁じる」   2. 「混む」     3. 「なさる」   4. 「しゃべる」
(2) 1. 「死ぬ」    2. 「歌う」     3. 「言う」    4. 「ある」
(3) 1. 「行って」   2. 「言って」   3.「立って」    4. 「取って
(4) 1. 「笑う」    2. 「会う」     3. 「問う」    4. 「買う」
(5) 1. 「やむ」    2. 「こわれる」   3. 「あげる」   4. 「くださる」
(6) 1. 「逃げる」などの自動詞   2. 「できる」などの所動詞    3. 「降る」などの無意志動詞   4. 「捨てる」などの瞬間動詞
(7) 1. 自動詞   2. 継続動詞  3. 状態動詞  4. 無意志動詞

[329]日本語の動詞は活用する。すべての活用形を通じて変わらない部分を(1),これに付加されて活用形ごとに異なる部分を活用語尾と呼ぶ。いずれの部分も1語としての動詞よりも下位に位置する単位であり,このような意味を表す最小の単位を(2)という。
さらに,日本語の動詞は,比較的規則的な活用をすると言われる。まず,五段動詞は,Ⅰ類動詞やX動詞などと呼ばれる。また,一段動詞は,Ⅱ類動詞やY動詞などと呼ばれる。不規則動詞は,(3)の2語しかない。
初級の日本語学習者が辞書形から見分ける方法としては,不規則動詞二つはそのまま覚え,それ以外で,まず,「る」で終わらないものは五段動詞である。「る」で終わるが,その前がイ段,エ段にならないものは,同じく五段動詞である。イ段,エ段のときは,ほとんど一段動詞だが,(4)のような例外もあるので注意しなければならない。

問1)文章中の(1) ~ (4)にに入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中からそれぞれ一つずつ選べ。
(1) 1. 語幹   2. 語義   3. 語形   4. 語源
(2) 1. 畳語   2. 形態素  3. 単独語  4. 異形態
(3) 1.「いる」と「ある」    2.「いる」と「する」
    3.「くる」と「する」    4.「くる」と「ある」
(4) 1. でる   2. たべる  3. みる   4. きる

問2)文章中のXとYの組み合わせとして最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. X=子音語幹,Y=強変化
  2. X=母音語幹,Y=弱変化
  3. X=子音語幹,Y=母音語幹
  4. X=母音語幹,Y=子音語幹

[330]次の文章を読み,下の問いに答えよ。
「(ら)れる」を用いた日本語の受動文は,その構文的特徴から,大きく直接受動文と間接受動文に分類される。直接受動文は構文的に対応する能動文を持つ受動文であり,間接受動文は対応する能動文を持たない受動文である。間接受動文には,主語で表される人物が迷惑を被ったという意味があるが,直接受動文は(ア)。
間接受動文は,構文的な面で「(さ)せる」を用いた使役文と似たところがある。また,補助動詞(イ)を用いた文は,使役文的な性格と受動文的な性格を有する。

問1)文章中の(ア)に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 迷惑の意味をもたない
  2. ニ受動文の場合のみ,必ず迷惑の意味を持つ
  3. ニヨッテ受動文の場合のみ,必ず迷惑の意味を持つ
  4. 動詞の意味などによって迷惑の意味を持つか否かが決まる
    問2)文章中の(イ)に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
    1.(て)やる  2.(て)あげる  3.(て)くれる  4.(て)もらう

問3)文章中の下線部の説明として不適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 他動詞から作ることができない。
  2. 基本的に非情物を主語にとりにくい。
  3. 「(ら)れる」のない無標の文よりも項の数が一つ多い。
  4. 類型論的に見た場合,このタイプの受動文を持たない言語が多い。

[331]次の文章を読み,下の問いに答えよ。
学校文法では「が」で表される語も「は」で表される語も主語と呼ばれるが,主語はsubjectの訳語で,西洋文法からきた用語であるとして,(ア)は,主語という用語の廃止論を唱えた。(ア)は,また,受け身になるかならないかで動詞を二分し「ある,要る,(イ)」など,受け身にならないものを(ウ)と呼んだ。

問1)文章中の(ア)に入れるのに最も適当なものを,次の1. ~4. の中から一つ選べ。

  1. 三上章
  2. 奥津敬一郎
  3. 寺村秀夫
  4. 北原保雄

問2)文章中の(イ)に入れるのに最も適当なものを,次の1. ~4. の中から一つ選べ。

  1. くる,する
  2. できる,見える
  3. 飲める,ほえる
  4. 紹介する,聞こえる

問3)文章中の(ウ)に入れるのに最も適当なものを,次の1. ~4. の中から一つ選べ。

  1. 代動詞
  2. 所動詞
  3. 能動詞
  4. 再帰動詞

問4)「は」の用法について,他と異なるものを,次の1. ~4. の中から一つ選べ。

  1. 餃子は父が焼く。
  2. お酒は先輩が買います。
  3. 料理は主人が先に箸をつける。
  4. この手紙はマリオさんが書いた。

[332]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを,それぞれ,一つずつ選べ。

【接続詞の機能】

  1. しかし
  2. ところが
  3. でも
  4. しかも
  5. だが

[333]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを,それぞれ,一つずつ選べ。

【連体修飾】

  1. スポーツで鍛えた身体
  2. 友人の紹介で知り合った女性
  3. 子どもたちの笑顔が素敵な写真
  4. 昨夜遅くまで見ていたテレビ番組
  5. 昔の恋人と一緒に行ったレストラン

[334]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを,それぞれ,一つずつ選べ。

【読み仮名】

  1. 覆う
  2. 凍る
  3. 応じる
  4. 憤る
  5. 滞る

[335]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを,それぞれ,一つずつ選べ。

【「ない」の意味】

  1. やるせない
  2. ゆるせない  
  3. はなせない
  4. のませない  
  5. よませない

[336]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを,それぞれ,一つずつ選べ。

【「だけ」の意味】

  1. ちょっと見ているだけです。
  2. やれるだけやってみなさい。
  3. あなたにだけ教えてあげる。
  4. きれいなだけでは叱られます。
  5. 肉だけでなく野菜も食べなさい。

[337]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【「適当」の意味】

  1. 空欄に入る最も適当な単語を選びなさい。
  2. あんな教授のレポート、適当にすませてもわかりはしないよ。
  3. その方法が適当だという確証はあるのかな。私は気が進まない。
  4. X、Yの値を適当に定めるためには、複雑な方程式を解かなければならない。
  5. 浮ついた気持ちで選ばないで、あなたに適当な職業は何か、よくかんがえてごらん。

[338]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【カタカナ語の造語法】

  1. モバイル
  2. キャンセル
  3. エアコン
  4. ステータス
  5. リクルート

[339]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【複合動詞「~あげる」の意味】

  1. 持ちあげる
  2. 育てあげる
  3. 作りあげる
  4. 縫いあげる
  5. 書きあげる

[340]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【可能表現の変種】

  1. 好き嫌いなく何でも食べれます。
  2. 彼は中国語と英語が話せれます。
  3. ワインならいくらでも飲めれます。
  4. このビンのキャップ、外せれますか。
  5. 休まずに1KM泳げれるようになりたい。

[341]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【受身文】

  1. 砲撃で家を壊された。
  2. 火事で焼け出された。
  3. 彼女の笑顔で癒された。
  4. 武道館でコンサートが行われた。
  5. 大仏殿は400年前に再建された。

[342]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【「た」の用法】

  1. 弟が撮った写真を送る。
  2. 曲がりくねった道を進む。
  3. 雪の積もった山頂を眺める。
  4. 先のとがった鉛筆をください。
  5. 書類の入った鞄を置き忘れた。

[343]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【ニ格名詞と動詞の関係】

  1. 妹に絵本をあげた。
  2. 先生に手紙を書いた。
  3. 父にネクタイを贈った。
  4. 花に水と肥料をやった。
  5. 叔父に入学祝をもらった。

[344]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【形容動詞の成り立ち方】

  1. 口べただ
  2. 他人行儀だ
  3. 筆まめだ
  4. 身ぎれいだ
  5. 身勝手だ

[345]次のそれぞれについて、【 】内に示したような表現をした学習者に対して、文法的な説明を行なう場合、用いる例文として不適当なものを選べ。

【あの本を買えば、貸してください。】

  1. 雨が降ったら、延期します。
  2. 来月になったら、片付けましょう。
  3. 誰か来たら、教えてください。
  4. 8時までに仕事が終わったら、食事に行きましょう。

[346]次のそれぞれについて、【 】内に示したような表現をした学習者に対して、文法的な説明を行なう場合、用いる例文として不適当なものを選べ。

【飛行機が空で飛んでいます。】

  1. 明日は山道を行きます。
  2. フェリーが港を離れます。
  3. 子どもが廊下を走っています。
  4. 山小屋まではあの峠を越えます。

[347]次のそれぞれについて、【 】内に示したような表現をした学習者に対して、文法的な説明を行なう場合、用いる例文として不適当なものを選べ。

【この傷はたいしたことがないはずだ。】

  1. この冷たさは氷のようだ。
  2. 来週中には工事が終わるようだ。
  3. だいぶんレポートがたまっているようだ。
  4. この機械はどこにも問題がないようだ。

[348]次のそれぞれについて、【 】内に示したような表現をした学習者に対して、文法的な説明を行なう場合、用いる例文として不適当なものを選べ。

【選手が道を走りています。】

  1. 門の前に人が立っています。
  2. ハサミで紙を切っています。
  3. 女の人が庭で写真を撮っています。
  4. 公園で父親が子どもを怒っています。

[349]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものをえらべ。

【対応する他動詞の形態】

  1. (気が)きく
  2. (花が)さく
  3. (戸が)あく
  4. (子が)なく
  5. (体が)うく

[350]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものをえらべ。

【「ない」の品詞(学校文法)】

  1. 学生らしくない。
  2. あの候補者は知らない。
  3. 顔も見たくない。
  4. あまり上品でない。

[351]次のそれぞれについて【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。

【可能】

  1. 初恋の相手のことが懐かしく思われる。
  2. 彼女は100メートルを13秒台で走れた。
  3. 一度に5本の映画が借りられます。
  4. 誰でも簡単に絵が描けるようになります。
  5. 英語のジョークはなかなか笑えない。

[352]次のそれぞれについて【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。

【「~てみる」の用法】

  1. どんな味がするのか、食べてみた。
  2. 友達に頼んでみたが、断られた。
  3. 海外へ出てみて、初めて日本の良さに気がついた。
  4. 駅に電話してみたが、落し物は届いていなかった。
  5. みんなが良いと褒めるので、読んでみた。

[353]次のそれぞれについて【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。

【名詞修飾】

  1. 夏目漱石が晩年に書いた小説が好きです。
  2. 少年たちが冒険する映画を見た。
  3. 恋人たちがキスをしている写真を撮った。
  4. どこからか鳥のさえずる声が聞こえる。
  5. 雨が激しく降る音で目が覚めた。

[354]次のそれぞれについて【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。

【「を」の用法】

  1. 大学を卒業する
  2. 廊下を走る
  3. 京都を離れる
  4. トンネルを抜ける
  5. 東京駅を出る

[355]次のそれぞれについて【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。

【さ入れ表現】

  1. 見させる
  2. 読まさせる
  3. 寝させる
  4. 話させる
  5. 忘れさせる

[356]次のそれぞれについて【 】内の観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【動作の行為者】

  1. メールアドレスを教えていただけませんか。
  2. ここに住所を書いてくださいませんか。
  3. 順番に整理札をお取りください。
  4. すみません、シャッターを押してもらえませんか。
  5. この部屋、ちょっと使わせてください。

[357]【 】内の観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【主語の人称制限】

  1. 強い
  2. 痛い
  3. 欲しい
  4. うれしい
  5. くやしい

[358]【 】内の観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【ナ形容詞】

  1. ユニーク
  2. アンティーク
  3. モダン
  4. ハンサム
  5. スロー

[359]【 】内の観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【指示詞】

  1. あの頃は、徹夜しても平気でした。
  2. あの信号を左に曲がって右手のビルです。
  3. あのセーターもバーゲン対象品ですか。
  4. ちょっとあの店に寄ってみたいけど、いいですか。
  5. あそこにいるあの人に道を聞いてみましょう。

[360]【 】内の観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【テンス】

  1. 去年の夏は暑かったよね。
  2. 先週末、映画を見に行きましたか。
  3. 校長先生は、立派な人だった。
  4. そういえば、冷蔵庫にケーキがあったんだ。
  5. 小さい頃は、お刺身が嫌いでした。

[361]【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ

【動詞の意志性】

  1. 飲む
  2. 食べる
  3. 酔う
  4. 寝る
  5. 起きる

[362]【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ

【音便】

  1. 遊んで
  2. 足して
  3. 泳いで
  4. 笑って
  5. 聞いて

[363]使役受身形についての説明として不適当なものを選べ。

  1. グループの動詞は、使役形の縮約形から使役受身形を作ったほうが、日本語として一般的である。
  2. 2グループの動詞の使役受身形は、そのまま使役形から作ったほうが、日本語として一般的である。
  3. 3グループの動詞は「する」については、そのまま使役形から使役受身形を作り、「来る」については、使役形の縮約形から使役受身形を作ったほうが、日本語として一般的である。
  4. 使役受身形はすべて2グループ動詞となり、例外はない。

[364]日本語教育で行なわれる使役の指導について述べた。適切でないものを選べ。

  1. 外国人に指導する使役文を大きく二つに分類すると、自動詞の使役文と他動詞の使役文の二種類に分けられる。
  2. 使役文では、強制する側の人物を「使役主体」といい、強制させられる側の人物を「行為主体」という。
  3. 感情を表す動詞を使役形にして、その感情を相手に引き起こすという用法があるが、この用法では「行為主体」の後の格助詞は「ヲ」となる。
  4. 自動詞の使役文では「行為主体」の後の格助詞は「ヲ」「ニ」両方が使えるものが多く存在する。この場合、「ヲ」を使った場合には「許可・放任」の意味合いが強くなり、「ニ」を使った場合は「強制」の意味合いが強くなる。

[365]「結果の状態」を表す「~ています」を導入する際に、最も適当な対話を選べ。

  1. A: Cさんは、どこにいますか。
    B: あそこで新聞を読んでいますよ。
    A: ああ、いました。どうもありがとう。
  2. A: 毎日、嫌なニュースが多いですね。
    B: ええ、毎日世界中でたくさんの人が死んでいますからね。
    A: 明るいニュースが欲しいですね。
  3. A: Bさんは、独身ですか。
    B: いいえ、結婚しています。どうしてですか。
    A: 今度、独身の人のパーティがあるんですが、それじゃ、だめですね。
  4. A: (電話で)今、何しているの?
    B: ご飯を作っているの。
    A: そう、近くに来たんだけれど、ちょと出てこない?
    B: ごめん、今は無理。また今度ね。

[366]「 X ば、 Y 」という構文での制約を述べた。適切でないものを選べ。

  1. Yが働きかけ(命令や禁止、依頼など)を表す場合、Xの述語が意志動詞の場合は、問題がない。
  2. Yが働きかけ(命令や禁止、依頼など)を表す場合、Xの述語が形容詞の場合は、問題がない。
  3. Yが働きかけ(命令や禁止、依頼など)を表す場合、Xの述語が否定形の場合は、問題がない。
  4. Yが働きかけ(命令や禁止、依頼など)を表す場合、Xの述語が状態性の動詞の場合は、問題がない。

[367]次の文は、外国人が「授受動詞」を誤って発話したものである。誤りの原因として、最も適切なものを選べ。
 ・先生は私の妹に辞書をさしあげました。

  1. 辞書というものが移動する方向を認識できていないため。
  2. 「先生」と「私の妹」の上下関係が認識できていないため。
  3. 「さしあげる」という動詞の主格にくる人物の制約を認識できていないため。
  4. 「さしあげる」という動詞の持つやや押しつけがましい意味的なニュアンスを認識できていないため。

[368]次の連体修飾文と同じ種類のものを選べ。

 ・きのう、学校を休んだ人は手を挙げてください。

  1. 会社へ来るときに、部長に会いました。
  2. さんまを焼く匂いがしています。
  3. あそこを曲がった正面に銀行があります。
  4. これは東京へ行くバスですか。

[369]次は「談話」について述べた文である。誤りはどれか。

  1. 「談話」という単位は、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションとがお互いに協力して構成される。
  2. 「談話」という言語的なまとまりは、現実の言語生活という観点では、構文の次に来る第二次的な単位で現れる。
  3. 「談話」とは、相手に何かを伝えるための言語的なまとまりのことである。
  4. 「談話」の研究としては「は」と「が」の使い分けの基準などは、その代表的なものである。

[370]日本語教育での動詞についての説明として不適当なものを一つ選べ。

  1. 構造シラバスの教科書における動詞の分類は、まず最初に「名詞+格助詞」(補足語)と動詞との関係で行われるのが一般的である。
  2. 日本語教育では、五段活用動詞は1グループ動詞、一段活用動詞は2グループ動詞、変格活用動詞は3グループ動詞としてまとめられる。
  3. 動詞の自他と呼ばれる分類は、初級後半レベルで導入される区分けで「走る‐走らせる」というような対応を持つ動詞群のことである。
  4. 授受動詞と呼ばれる動詞群と「教える」「習う」といった動詞とは、与え手と受け手、何かが移動するという点では共通の性質を持った動詞ということができる。

[371]次の【】内の下線部に示した学習者による誤用と異なる種類の誤用を選べ。

【高い山がそびえます】

  1. 妹は母に似ます。
  2. 財布が床に落ちます。
  3. この硬貨は穴があきます。
  4. 日本は環境対策に優れます。

[372]次に示した【】内の観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。

【品詞】

  1. 無理
  2. 平和
  3. 大切
  4. 元気
  5. 自由

[373]次の文章を読み、後の問いに答えよ。

 「入り口に立っている人」のように、被修飾名詞と修飾節中の述語との間に、前者が後者と格関係を持つ補語に当たるような関係がある。このような修飾節と被修飾名詞との関係は「内の関係」と呼ばれる。それに対し、被修飾名詞と修飾節中の述語との間にそのような格関係が見出されないものは「外の関係」と呼ばれる。
  さらに、被修飾名詞が修飾節中の述語の表面には表れない補語と相対的な関係にあるものがある。

問1.文章中の下線部について、不適当なものを選べ。

  1. これがビールを買ったおつりです。
  2. 交番は商店街を出た右側にあります。
  3. 私は誰かが外に立っている気配を感じた。
  4. 私が住んでいる上の階には子どもがいるらしい。

問2.次のそれぞれの文中の「が」の性質が他と異なるものを選べ。

  1. 京都は母が生まれたところです。
  2. 新学期が始まると忙しくなります。
  3. 切符がない人は手を挙げてください。
  4. 会議が開かれていることを知らなかった。

[374]次の【】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【連帯修飾の種類】

  1. 北京で撮った写真
  2. 先週見つかった写真
  3. 家族が写っている写真
  4. 赤ちゃんが寝ている写真
  5. 重要なことを証明している写真

[375]次の文章を読み、各問いに答えよ。
主語を「文の成分の一つ。述語と対応し、述語の表す動作、作用あるいは性質、状態、関係などの帰属する主体を表す成分」と定義すると、そこには、体言に「が」のついたもの以外に、「は」「も」「しか」「だけ」や他の副助詞のついたものが含まれ、主語の内容があいまいなものになっている。(A)はガ格成分のうち、述語の表す意味の対象を示すものとして「仕事がつらい」「算術ができる」などを挙げ、これらを「B」と呼んで、主語から区別した。

問1)文章中のAに入る適当なものを選べ。

  1. 三上章
  2. 佐久間鼎
  3. 寺村秀夫
  4. 時枝誠記

問2)文章中のBに入る適当なものを選べ。

  1. 客体語
  2. 補足語
  3. 対象語
  4. 補充語

問3)日本語の主語の特徴として不適当なものを選べ。

  1. 主語が省略されることはほとんどない。
  2. 「は」は主題以外にも対比を表す場合がある。
  3. 他動詞文や使役文の主語は無生物を嫌う傾向にある。
  4. 不特定多数が主語として想定される場合は、主語を表さないのが普通である。

[376]次のそれぞれについて、【】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【受け身文の種類】

  1. 太郎は子どもに泣きつかれた。
  2. 花子は妹にピアノを弾かれた。
  3. ポチはみんなから愛されている。
  4. 兄は部長に海外出張を命じられた。
  5. 田中さんは見知らぬ人に呼び止められた。

[377]次のそれぞれについて、【】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【「~中」の用法】

  1. 一日中
  2. 今日中
  3. 来週中
  4. 夏休み中
  5. 来年度中

[378]次のそれぞれについて、【】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。

【「です」の種類】

  1. この魚は病気ですね。
  2. 北海道は涼しいですね。
  3. あの方は国会議員ですよ。
  4. 今回の予算はこれだけです。
  5. フリオさんはブラジル人ですか。

[379]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と性質の最も異なるものを選べ。

(1)【「~て(で)」の用法】
  1 危ないから、手をつないで渡りなさい。
  2 母の形見のペンダントをぶらさげて授賞式に出席しました。
  3 心のこもった料理を食べて元気がでました。
  4 急いで行けばまだ間に合うはずですよ。

(2)【「~で」の用法】
  1 わからないことは英語で話してもいいですよ。
  2 少し遠回りになりますが、電車で通勤しています。
  3 ゴムがはずれたので、瞬間接着剤でくっつけた。
  4 みんなで作った壁画が、地震によって破壊された。

(3)【「~ば」の用法】
  1 母は、私の顔を見れば「結婚しろ」と言う。
  2 ここで逆転優勝すれば、監督の首もつながるだろう。
  3 彼が来れば、彼女も断るわけにはいかないでしょう。
  4 明日晴れれば、予定通りハイキングに行きます。

[380]次の文章を読んで、答えよ。
 日本語の助詞「は」と「が」の使い分けは外国人には非常に難しく感じる。日本人は普段何気なく使い分けているが、その基準は?と聞かれて即座に明解に答えられる人はそんなにはいないであろう。この基準に関して野田尚史が五つに分類してまとめたものを簡潔に記すと
1. 新情報か旧情報かによって使い分ける。
  「①」・・・旧情報
  「②」・・・新情報
2. 現象文か判断文かによって使い分ける。
  「③」・・・現象文
  「④」・・・判断文
3. 主格がどこまで係るのかによって使い分ける。
  「⑤」・・・主格が文末まで係る
  「⑥」・・・主格が節の中だけにしか係らない
4. 主格が対比の意味を表すか、排他の意味を表すかで使い分ける。
  「⑦」・・・対比の意味を表す
  「私が責任者だ」・・・排他の意味を表す
5. 指定文か措定文かで使い分ける。
 「地球は太陽の惑星だ」のような文は述語が主格名詞の性質を表し、「太陽の惑星が地球だ」とは言い換えられない。このような文を措定文といい、措定文の中では「は」が用いられる。これに対して、「鈴木さんはあの人だ」のように述語の名詞が主格名詞と同じものであることを示し、「あの人が鈴木さんだ」のように言い換えられる文を「指定文」あるいは「同定文」といい、この種の文では「は」も「が」も用いることができる。

文章中の①~⑦の例文に当たる最も適当なものをそれぞれ一つ選べ。
a 犬が寝ている
b 鈴木さんは校長だ
c 父が晩酌をするとき、つきあう
d 犬は好きだが、猫は嫌いだ
e 祖父は釣りに行くとき、お茶を持っていく
f  田中さんが社長だ
g この猫は病気だ

[381]次の文章を読んで、各問に答えよ。
 当該の事態の時を、発話時を基準にして位置づける文法形式を( ① )という。発話時と同じであれば「現在」、発話時より前のものは「過去」、発話時より後のものは「未来」という。( ① )を表す主要な形式は、( ② )の「現在形(基本形)」と「過去形(タ形)」である。
1.( ③ )の場合
 1)現在形は「現在の状態」か「現在までの状態」を表す。「( ⑤ )」
 2)現在形は話者がそうなると確信している時は「未来の状態」を表す。「( ⑥ )」
 3)過去形は「過去の状態」か「過去のある時点までの状態」を表す。「きのうまでいい天気でした」
2.( ④ )の場合
 1)現在形は「未来の時点」を表す。「( ⑦ )」
 2)現在形は「現在の習慣」「思考・感覚表現」「発話内行為」を表す。「( ⑧ )」
 3)過去形は「過去の時点」を表す。「きのう、雨が降った」
3.現在形で( ① )を持たない表現がある。「( ⑨ )」

(1)文章中の①~④に入るものを選べ。
① a. テンス b. アスペクト c. ヴォイス d. シンタクス
a. 主語 b. 述語 c. 対象語 d. 修飾語
a. 状態性の述語 b. 状態性の対象語 c. 動作性の述語 d.動作性の対象語
a. 状態性の述語 b. 状態性の修飾語 c. 動作性の述語 d. 動作性の修飾語

(2)文章中の⑤~⑨に入る適当な例文をそれぞれ一つ選べ。
a. 来年、私は社会人です。
b. 日曜日に大阪へ行く。
c. 二等辺三角形の両辺は等しい。
d. あそこに犬がいる。
e. 訂正してお詫びいたします。

[382]次の文章を読んで、各問に答えよ。
 存在を表す日本語の動詞に「ある」と「いる」があるが、この二つはそれぞれ何らかの基準によって使い分けられている。
 まず、「事務所に田中さんがいます」「机の上にペンがあります」のように、主語が有情物の場合は「いる」を使い、無情物の場合は「ある」を使うというのが基準の一つである。
 しかし、これだけでは説明ができない場合も多い。「私には今年80歳になる母親がいる/ある」のような文は、「いる」も「ある」も両方が可能である。これは( ① )だからである。また、「電車で来る人もいれば/あれば、車で来る人もいる/ある」のように( ② )や、「昔々、太郎という働き者がいた/あった」のように( ③ )も、「いる」と「ある」の両方を使うことが可能である。

(1) ①~③に入る適当なものをそれぞれ一つずつ選べ。
a. 所在を表す文
b. 所有を表す文
c. 属性の分類を表す文
d. 初めて登場する人物の導入の文
e. 自分の意志で動かないものを主語とした文

(2) 文章中の下線部について、例外的に有情物でなくても「いる」が使える場合を、一つ選べ。
a. 主語がボールのように動かせる物の場合
b. 主語が電気器具である場合
c. 主語が絵や写真である場合
d. 主語が乗物である場合

[383]【 】内に示した観点から見て、他と性質の最も異なるものを、ひとつ選べ。
(1) 【活用】
 1 読まされる  2 食べさせられる  3 使わせられる  4 来させられる

(2) 【意義】
 1 食べられる  2 書ける  3 見える  4 起きられる  5 寝られる

(3) 【動詞の種類】
 1 書く  2 読む  3 食べる  4 落ちる  5 話す