#04. 言語と社会の関係
[32]次の文章を読んで、問に答えよ。
言語は空間、時間(歴史)、年齢・世代、職業・身分・階層、性差、コミュニケーションの機能、習得度などの切り口によっていろいろと区別することができる。日本語を例にとれば、空間という切り口では、さまざまな方言が、年齢・世代という切り口では、A若者言葉と老人の言葉が、性差で切れば男言葉と女言葉がある、といったように実に多様な姿がある。
しかし、一般の日本語母語話者のふだんの言語生活では、われわれはこの言語の多様性にあまり注意を払わないのではなかろうか。B標準語や男言葉の優位を暗黙のうちに認め、それ以外の言語のバラエティはあまり考慮せずに、あるいは認めずにきたのではないだろうか。このような態度は言語バラエティに対する許容度が低いと言わざるを得ない。
母語標準信仰に即して言えば、母語や標準語を一種絶対的なものとして崇拝し、逆に母語でないもの、標準から逸脱したものを軽視し、差別するという現象は日本社会ではいたるところに存在する。かつての( ① )はその典型的な例であり、標準語とは異なる言語バラエティの軽視や差別の現れに他ならない。
このような( ② )が「いよいよ強化されつつある」社会に生き、なおかつ言語生活に「正しいもの」を欲する傾向の強いわれわれが、外国人のいわゆる「片言」の日本語を聞いたら、それをどう感じ、それによって彼らの人となりをどう判断するのか。母語標準信仰の強いこの社会では、C昨今の移住労働者のように外から来た人たちの言語も偏見や排除の対象となりはしないか。かつて( ① )などを経験し、同じ日本人の言葉の違いにさえ寛大ではなかったものが、外国人の場合に限って急に大らかになるとは言い難いのである。
問1. 文中の下線部A「若者言葉」について、井上史雄が提唱している用語はどれか。
- 新方言
- 社会方言
- 個人特有方言
- ネオダイアレクト
問2. 文中の下線部B「標準語」という語と「共通語」という語を使い分ける立場から述べたものとして適当なものを選べ。 - 標準語は規範的であるが、共通語は規範的ではない。
- 標準語は高位言語であるが、共通語は低位言語である。
- 標準語は法律で定められているが、共通語は定められていない。
- 標準語はフォーマルであるが、共通語はインフォーマルである。
問3. 文中の①に入る適当なものを選べ。
- 識字運動
- 方言撲滅運動
- 言文一致運動
- 国民精神総動員運動
問4. 文中の②に入る適当なものを選べ。
- 日本は柔軟という見方
- 日本は一つという見方
- 日本は開放的という見方
- 日本は多種多様という見方
問5. 文中の下線部Cについて、旧来の外国人と区別して何というか。
- ニューカマー
- ニューウェーブ
- ニューフェース
- ニューファミリー
[34]次の文章の( )に入る、最も適当なものを、それぞれ一つ選べ。
言葉にみられる様々な種類のことを、バラエティ、または( ① )という。言葉の多様性のなかで「人間」、「社会」、「認識」の関係を追及する社会言語学では、重要な概念である。
さらに、二つの( ① )が、別個の機能を持ち共存していることを( ② )という。一方は、格式ばった状況で使われ、他方はくだけた状況で使われる。ハイチでのフランス語と( ③ )も、この例として挙げることができる。
1 位相 2 変種 3 スタイル 4 レジスター
②:1 ダイグロシア 2 コンバージェンス 3 バイリンガリズム 4 コードミキシング
③:1 ピジン 2 トクピシン 3 クレオール 4 リンガフランカ
[35]次の文章の( )に入る最も適当なものを選べ。
ことばにみられる様々な種類のことをバラエティ、または( ① )という。ことばの多様性のなかで「人間」「社会」「認識」の関係を追及する社会言語学では重要な概念である。
さらに、二つの( ① )が別個の機能を持ち共存していることを( ② )という。一方は、格式ばった状況で使われ、他方はくだけた状況で使われる。ハイチでのフランス語と( ③ )もこの例としてあげることができる。
①:
- 位相
- 変種
- スタイル
- レジスター
②:
- ダイグロシア
- コンバージェンス
- バイリナリズム
- コードミキシング
③:
- ピジン
- トクピシン
- クレオール
- リンガフランカ
[36]男ことばと女ことばに関する記述について、最も不適当なものを選べ。
- 感動詞で、「ほう、おう、やい」などが男ことばとすれば、「あら、まあ、なあ」などの女ことばがる。
- 「朝早く、なかなか起きられなくてよ」「これならよく似合ってよ」のように女ことばは、「~てよ」の形で断定を表す。
- 「これは、どこでお買いになって?」のように女ことばは、「~て?」の形で問いを表す。
- 「できるだけ早くいらっしゃってね」のように「~て(よ・ね)」の形で女ことばは依頼を表す。
[37]次の文章を読み、設問に答えよ。
ことばの地域差は一般に「方言」と呼ばれるが、現在の日本語方言は、過去における中央語の伝播によって作り出された。中央で生まれた新しいことばは順次地方へ広がるため、原理的には古いことばほど日本の周辺部に残ることになる。この作用によって生成された分布は、ちょうど池に小石を落としたときの波紋のように同心円的な拡がりを見せるので、A「周辺分布」と称される。ただし、日本は東西に長いため、実際には近畿をはさんで東西が呼応する分布となる。例えば、「顔」の名称は、対極的に見て、日本の中央部のカオをはさみ、その両側の東北および九州・琉球ではツラである。上の原理によれば、ツラはカオより古い日本語の状態を残したものと推定される。
同心円的な分布に対して、東日本と西日本で方言が大きく異なることもあり、B「東西対立」と呼ばれる。これは、中央語に対して東日本と西日本が違った対応をとったために生じた地域差である。「塩辛い」を東日本ではショッパイ、西日本ではカライというのは、その一例である。この場合、西日本が中央語の古い状態をそのまま保ったのに対し、東日本は古語「しほはゆし」を積極的に改変し、ショッパイに作り変えて広めたのである。
問1)文章中の下線部Aに関係する人物として最も適当なものを選べ。
- 伊波普猷
- 柳田国男
- 知里真志保
- 金田一京助
問2)文章中の下線部Bについて、明治期に国語調査委員会が初めて調査を元に実施したものを選べ。
- 糸魚川・大垣線
- 糸魚川・大井川線
- 糸魚川・浜名湖線
- 糸魚川・富士川線
問3)文章中の下線部B「東西対立」の例として、不適当なものを選べ。
- 「学区」と「校区」
- 「挽き肉」と「ミンチ」
- 「一年生」と「一回生」
- 「卓球」と「ピンポン」
[38]次の文章を読み、後の問いに答えよ。
異なる言語を話す人々が接触するとき、さまざまな方法で意思疎通を図ろうとし、互いの言語が混合し、新たな言語が生まれる場合がある。その初期の段階の言語を(1)という。
フィリピンでは多数の言語があり、地方によって異なる言語が用いられている。現在はマニラ周辺で話されてきた言語である(2)を基にしたフィリピノ語と英語が公用語とされている。フィリピンの大統領は何語で演説するかがしばしば話題になる。英語が教養や地位を表す言語であり、フィリピノ語などの土着の言語が民族意識を表す言語であると言われる。
問1 文章中の(1)に入る最も適当なものを選べ。
1. ピジン 2. ジャーゴン 3. クレオール 4. リンガフランカ
問2 文章中の(2)に入る最も適当なものを選べ。
1. マレー語 2. シンハラ語 3. タガログ語 4. タミール語
問3 文章中の下線部について、ファガ―ソンの提唱した用語はどれか。
1. ディアスポラ
2. ダイグロシア
3. バイリンガリズム
4. ダブル・リミテッド
[39]次の文章を読み、各問いに答えよ。
小中学生を対象とした①TIMSS(国際数学・理科教育調査)の2007年度調査によると、日本の中学校2年生の学校外での一日の時間の過ごし方について、「宿題をする時間」「②テレビやビデオを見る時間」「家の仕事(手伝い)をする時間」「③インターネットを使う時間」の平均値が発表されている。
宿題をする時間は、日本人は1.0時間であり、国際平均の1.6時間より0.6時間少なく、また、前回2003年に比べると変わっていない。また、家の仕事(手伝い)をする時間は、わが国は0.6時間であり、国際平均値の1.2時間より0.6時間少なく、また、前回と比べて変わっていない。
問1 文章中の下線部①について、この調査団体はどこか。
1 OECD(経済協力開発機構)
2 IEA(国際教育到達度評価学会)
3 UNICEFF(国際連合児童基金)
4 UNESCO(国際連合教育科学文化機関)
問2 文章中の下線部②について、日本の平均時間、国際平均値、前回調査との変化について、最も適当な組み合わせを選べ。
日本の平均時間 国際平均値 前回比較
1 2.5時間 2.5時間 -0.2時間
2 2.5時間 1.8時間 -0.2時間
3 1.8時間 1.8時間 変化なし
4 1.8時間 2.5時間 変化なし
問3 文章中の下線部③について、日本の平均時間、国際平均値、前回調査との変化について、最も適当な組み合わせを選べ。
日本の平均時間 国際平均値 前回比較
1 1.3時間 0.8時間 +0.2時間
2 1.3時間 0.8時間 変化なし
3 0.8時間 1.3時間 変化なし
4 0.8時間 1.3時間 +0.2時間
[40]次の文章を読み、各問に答えよ。
一つの社会に複数の文化が共存できるように、それぞれの独自性と異質性を尊重し、集団間の不平等を正そうとする立場を( ア )という。これは、各文化の内在的理解を強調する考え方とは異なり、文化間の議論を経て、平等を獲得しようとする実践主義である。
この概念は、公式には1960年代にカナダが2言語政策を表明する際に登場し、その後、先住民問題を抱えるオーストラリアでも登用された。アメリカでは「( イ )」という融合・同化政策から「( ウ )」という異種混合の立場へ政策転換した際に登用された。
問1) 文章中の( ア )に入る最も適当なものを選べ。
- 多文化主義
- 文化相対主義
- 文化帝国主義
- 自民族中心主義
問2) 文章中の( イ )( ウ )に入る最も適当な組み合わせを選べ。
- イ=サラダ・ボウル ウ=メルティング・ポット
- イ=サラダ・ボウル ウ=モザイク
- イ=モザイク ウ=サラダ・ボウル
- イ=メルティング・ポット ウ=サラダ・ボウル
[41]言語接触論におけるピジンとクレオールの記述について、不適当なものを選べ。
- ピジンは外的なグループと貿易などで接触する際、互いに話ができるように言語が混ざり合ってできた。
- クレオールは、それを第一言語とするコミュニティを持つが、ピジンはコミュニティを持たず、中には消滅するものもある。
- パプアニューギニアの公用語となっているトクピシンのようにピジン英語に由来するクレオールが定着し制度化されたものがある。
- ピジンは接触する言語間で大幅な簡略化や機能の限定化があるが、クレオールはそのような状況を経ないで継承された言語である。
[42]次の文章を読み,下の問いに答えよ。
異なる言語を話す人たちが,商取引などでの必要性から,コミュニケーションの手段として,ある程度の慣習的な体系を持つA混成言語を作りだすことがある。この混成言語は,特定の場で特定の相手との間で使われるもので,語彙も少なく,文法構造も簡略で,母語に影響された音声を持ち,しかもいずれの話者の母語ではない。
したがって,その混成言語を使う必要性がなくなればすたれていくが,多言語社会においては,多くの異なる母語話者間の共通語として重要な機能を持ち,言語構造や語彙も,初期に比べて充実拡大していくものもある。たとえばパプアニューギニアでは,英語基盤の (ア) が重要な共通語となっており,首都近辺では母語化が進んでいるとも言われている。
最終的に,混成言語が母語化した場合には, (イ) とよばれる。母語化された (イ) は,日常生活全般にわたり自然言語と同じような機能を果たさなければならないので,語彙も多くなり,発音や文法の特徴も複雑になって,固定化されていく。
問1)文章中の下線部A「混成言語」のことを何というか。最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
- リンガ・フランカ 2. ピジン 3. プランテーション 4. ダイグロシア
問2)文章中の (ア) に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
- トクピシン 2. コックニー 3. アフリカーンス 4. フスハ
問3)文章中の (イ) に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
- デクレオリゼーション 2. コード・ミキシング 3. ダイクシス 4. クレオール
[43]次の文章を読み,下の問いに答えよ。
私たちが言語によるコミュニケーションを行うに際して,どのようなルールにのっとっているのであろうか。言語学の語用論と呼ばれる分野では,様々な考えが提唱されているが,その中で,グライスは「協調の原理」という概念を提唱した。話し手と聞き手との共同作業である会話には遵守すべき一定の作法とも言うべき基本原則が存在し,それによって言外の意味が解釈されると主張している。この基本原則として量,質,関係性, (1) の4つの格率があるとしている。
量の格率とは,相手に求められている程度の情報を与えよということであり,質の格率とは, (2) は言うなということである。関係性の格率というのは関係のあることを言えということである。 (1) の格率は,述べ方についての格率で,はっきりしない表現は使うなとか,簡潔に順序よく言えなどが含まれる。
これらは一見道徳律のように見えるが,それはグライスの意図するところではなく,また,この格率に従っているかどうかはあまり重要ではない。それは,会話が行われる場からの情報があり,聞き手に (3) があるからである。
むしろ格率に従っているという前提に立つことにより,論理的な意味あるいは文字通りの意味以外のことを伝えることもできる。これは一般に (4) と呼ばれている。このように,この会話の格率という概念は,会話のルールというよりも,実際の会話を考える上での (5) と考えるほうがふさわしい。
問1)文章中の (1) ~ (5) に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中からそれぞれ一つずつ選べ。
(1) 1. 形式 2. 様態 3. 態度 4. 機会
(2) 1. 下品なこと 2. 曖昧なこと 3. 偽りとなること 4. 恥となること
(3) 1. 伝達能力 2. 推論能力 3. 文法能力 4. 交渉能力
(4) 1. 含意 2. 意義 3. 予想 4. 命題
(5) 1. 規範 2. 信念 3. 例示 4. 参照枠
問2)ブラウンとレビンソンが提唱した理論で,話し手が聞き手との円滑なコミュニケーションのために行う最善の配慮のことを何というか。最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
- ストラテジー 2. レディネス 3. フェース 4. ポライトネス
[44]次の文章を読み,下の問いに答えよ。
海外における日本語教育の普及に取り組んでいる国際交流基金(JF)は,2010年3月に「JF日本語教育スタンダード2010」を発表した。これは日本語教育が多様化する中,2005年から取り組みがすすめられていたものである。
この「JF日本語教育スタンダード2010」は,「 (ア) 」を基本理念に開発されたが,これには「課題遂行能力」と「異文化理解能力」の二つの能力が必要であるとされている。 またAヨーロッパで開発されたCEFRの言語熟達度のレベルにもとづき,日本語の熟達度をB「~できる(「Can-do」)という形式の文で示し,「みんなの「Can-do」サイト」で提供している。
国際交流基金のサイトでは,この「JF日本語教育スタンダード2010」の成り立ちを分かりやすく「JFスタンダードの木」で表現している。これは, (イ) と言語能力の関係を整理したものである。
言語によるコミュニケーションのためには,基礎となる言語能力が必要となる。それを木の根で示している。この言語能力は「C言語構造的能力」「社会言語能力」「語用能力」の3つに分類されている。そして,言語能力を基盤として,木の枝のように広がりを持つのが (イ) である。読んだり聞いたりする「受容」,話したり書いたりする「産出」,会話等を行う「やりとり」やそれらをつなぐ「テクスト」,言語能力と (イ) を結び付ける「方略」が示されている。
日本語を学ぶ目的は人それぞれである。このJFスタンダードの木をもとに,自分にとって必要なもの,重点をおくべきところが明らかになり,学習目的に応じた学習計画が立てられるとされている。
問1)文章中の (ア) に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
- 正しく美しい日本語
- 相互理解のための日本語
- 生活者としての外国人のための日本語
- ノンネイティブのための専門的な日本語
問2)文章中の下線部B「CEFR」はどのような基本理念に基づいて開発されたか。最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
- 言語・文化の多様性を尊重した多文化主義
- ヨーロッパは最も優れているとする民族中心主義
- 互いにそれぞれの言語・文化を尊重し学び合う複言語主義
- 一つの共通言語を定め,他の言語も公用語として認める多言語主義
問3)文章中の下線部C「Can-doリスト」にはいくつのレベル設定について説明したもののうち,最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
- 段階は示されず,全レベル統一の試験によるスコア表示を目安とする。
- A~Eの5段階で示され,Aランクはノンネイティブの到達する最高レベル。
- 全体をA,B,Cの3段階に分け,それぞれをさらに2段階に分けた6段階表示。
- 1級から5級に分け,1級,2級にはそれぞれ準1級,準2級がある7段階表示。
問4)文章中の (イ) に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
- 言語活動
- 言語創出
- 言語獲得
- 言語理解
問5)文章中の下線部D「言語構造能力」に含まれないものを,次の1~4の中から一つ選べ。
- 語彙の知識
- 正しい発音
- 文法規則の知識
- 場の雰囲気を読む力
[45]次の文章を読み,下の問いに答えよ。
文化庁では,国語施策の参考にするため,毎年「国語に関する世論調査」を行っている。『平成21年度 国語に関する世論調査』では,「A常用漢字表」を初めとして,漢字に関する意識などが調査されている。
今回の調査結果と前回(平成16年度調査)とを比較すると,「漢字の使い方については余り自信がない」と答えた人は13%減少,「漢字の使い方にはかなり自信がある」と答えた人は5%増加と,漢字に自信がある人が増えたことが読みとれる。
一方で,「『常用漢字表』というものがあることを知っていたか。」という問に対して,「知らなかった」と答えた人が (ア) にも達しており,平成18年度調査よりも「知っていた」とする人が増えてはいるものの,「常用漢字表」の存在は意外に浸透していない。
平成22年11月に告示された新しい「常用漢字表」では,新たに (イ) 字が追加されたが,これらの追加漢字に対する印象について,「読みにくいので,仮名書きが望ましい」という回答が10%を超えていたのは, (ウ) などであった。
問1)文章中の下線部A「常用漢字表」について述べたもののうち,最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
従前の「常用漢字表」は「日常使用する漢字の範囲」を示したものだが,新しい「常用漢字表」は「漢字使用の目安」を示すものとなった。
新しい「常用漢字表」では,都道府県名に用いる漢字を初めとして,固有名詞全般についても対象としている。
新旧の「常用漢字表」はともに,過去の著作や文書における漢字使用を否定するものではない。
「常用漢字表」の改定に伴い,人名用漢字別表に挙げられている漢字も増えた。
問2)文章中の (ア) に入れるのに,最も適当なものを次の1~4の中から一つ選べ。
- 15% 2. 25% 3. 40% 4. 60%
問3)文章中の (イ) に入れるのに,最も適当なものを次の1~4の中から一つ選べ。
- 95 2. 129 3. 163 4. 196
問4)文章中の (ウ) に入れるのに,最も適当なものを次の1~4の中から一つ選べ。
- 語彙 2. 腎臓 3. 曖昧 4. 剥奪
[46]次の文章は,「国連開発計画」の報告書の一節である。この文章を読み,下の問い(問1~4)に答えよ。
言語はしばしば個人の文化的アイデンティティの重要な要素である。(ア)の語学力が十分でない一方で,主流言語や公用語の運用能力も限られている場合,人は教育や政治生活,司法制度の利用から締め出されてしまう可能性がある。(イ)な文化への同化を「奨励する」ための最も有効な手段は,(ア)を使った場合に,経済的,社会的,政治的な利益を妨げることである。
(国連開発計画(UNDP)『人間開発報告書2004(日本語版)』国際協力出版会による)
問1 文章中の (ア) に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
1. 母語 2. 国語 3. 外国語 4. 地域語
問2 文章中の (イ) に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
1. 個人的 2. 地域的 3. 周辺的 4. 支配的
問3 上記文章の主張につながる意見として最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
1. 社会的に多数派に属する言語は尊重される必要がある。
2. 少数派に属する言語も社会的に尊重されなければならない
3. 経済的,社会的,政治的な国益を妨げるような言語教育があってはならない。
4. 言語は国家のものなので,どの国においてもまず国語が尊重される必要がある。
問4 上記文章の背景にある事柄として最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
1. 世界各地で消滅しかけている言語や文化の保護が必要になっている。
2. 世界各地で社会的・文化的な利益を受けられない人が数多く存在している。
3. 社会的少数派に属する人々の言語的・文化的な権利の拡大を危惧している。
4. 国家間での人の移動が頻繁となり,各国固有の文化の保護が必要となっている。