#25. 三択問題解答
01. 日本語教育の現状
問1 (1) 2003 年に目標が達成された。 2008 年には当時の福田首相が「 留学生 30 万人計画」を国会で提唱した。
問2 (3) 日本語能力試験は 1984 年より、日本語教育能力検定試験は 1988 年より実施されている。日本留学試験は、日本語力と基礎学力のテストとなる。
問3 (2) 外国人登録者数が総人口の 3 %以上である 13 の市と町が参加した。定住者ビザなどで来日して、企業の工場などで働く外国人が集まる地域が中心。
02.日本語教授法I
問4 (2) 学習環境や学習時間などを調べる外的レディネス調査と個人の学習体験などを調べる内的レディネス調査とにさらに分けられる。
問5 (2) 言語 を使って「何かを成し遂げる」ためのタスク(=課題)を集めたシラバス。
問6 (1) 原語は Grammar Translation Method 。翻訳法とも呼ばれる、コミュニケーションよりも読むための技能を中心にした教授法。
問7 (3) オーディオ・リンガル・アプローチは、構造言語学と行動心理学の影響を強く受けて開発されている。
03. 日本語教授法II
問8 (3) スーパーや旅行のチラシ、名刺、マンガなども、アイデアと工夫によって効果的な教材となる。中上級レベルの学習で使われることが多い。
問9 (2) スキャニングは、特定の情報を得るためにその情報に集中して読み取る読み方。
問10 (2) 原語では、 hypothesis testing となる。マッチングは、「照らし合わせの聞き」とも呼ばれる。
問11 (1) 主に、上級のクラスで行われる活動。これを発展させた学習法の一つに「プロジェクトワーク」がある。
問12 (3) 実際に使用することができる語彙は 「使用語彙」と呼ばれる。
04.日本人の言語行動
問13 (1) 例えば、「痛いっ」「しまった!」など。「ヤコブソンの 6 機能説」とは言語によるコミュニケーションの働きを6種類に分類したもの。
問14 (3) メタは、「何かの後ろにある」「何かについての」という意味のギリシャ語が語源。
問15 (3) 「出れる」「見れる」など、 グループ(一段活用)の形に「られる」ではなく「れる」を付けた形。
問16 (2) 正しくは「着られる」となる。「着る」は グループ(上一段活用)、「切る」は グループ(五段活用)。
05. 言語学の基礎
問17 (1) 日本語や英語のような個別言語が持っていて、誰もがそれを使って同じ事柄を表すことができるための仕組みのこと。ラングにより個人によって発言された具体的な言語がパロール。
問18 (3) 言語記号は時間軸に沿って線状に配列され表現されるという原理。複数の音声を同時に発声することはできないという人間の生理的な制約による。
問19 (1) 「焼く」という動詞と「芋」という名詞の複合によって形成された名詞。
問20 (3) 「協調の原理」とも呼ばれる「グライスの公理」は、「量の原則」「質の原則」「関係の原則」「様式の原則」から成る。
問21 (1) モンゴル語は膠着(こうちゃく)語。ビルマ語、チベット語などが孤立語に分類される。
問22 (3) アラビア語はアフロ・アジア語族。ほかには、ドイツ語、ロシア語、ヒンディー語などがインド・ヨーロッパ語族に分類される。
06. 第二言語習得論
問23 (1) 中間言語とは、目標言語を習得する過 程で現れる、学習者の母語とも目標言語とも違った規則を持つ言語の体系を指す。
問24 (2) 言語獲得装置の原語は、 LAD Language Acquisition Device 。パラメータと核心文法も普遍文法理論に関連する語。
問25 (1) マイナスに影響する場合は「負の転移」と呼ばれる。「 i+1 ( アイプラスワン ) 」は現在の言語能力よりも少し上のインプットのこと。
問26 (1) オックスフォードによると、 1 、 2 、 3 のストラテジーはすべて間接ストラテジーに分類される。社会を構成する人々との交流の中で学 習を進めていく方法を社会的ストラテジーと呼ぶ。
問27 (2) CALP は、 Cognitive Academic Language Proficiency の略語。 BICS は伝達言語能力とも呼ばれる生活場面で必要とされる言語能力のこと。
07. 日本語の音声I
問28 (3) キ・ッ・サ・テ・ンと分けられる。拍はモーラとも呼ばれる。
問29 (3) 日本語は高さアクセント、英語は強さアクセントと分類される。声調アクセントには、タイ語、ベトナム語などがある。
問30 (3) プロミネンスは「卓立」とも呼ばれる。話し言葉のある部分を他の部分よりも強く言うことで際立たせること。
問31 (2) タ、テ、トの子音は、歯茎・破裂音。ツの子音は、歯茎・破擦音。チの子音は、歯茎硬口蓋・破擦音となる。
問32 (3) ガ行の音は有声音。ガ行の音は語中で鼻音や摩擦音で発音されることもある。
08. 日本語の音声II
問33 (2) 母音は、舌の高さ、舌の前後の 位置、円唇性により分類される。 オ の舌の高さは、中母音。
問34 (1) 1946 年の「現代かなづかい」告示後、ワ行音化されたハ行は、原則としてワ行で表記されるようになった。
問35 (3) 2も、「オルガン」「イギリス」などの古くから使われている語は鼻濁音で読まれることもある。
09. 異文化理解と心理
問36 (2) W カーブは、 U カーブ曲線に自分の文化に戻った後までの過程を加えたもの。
問37 (1) エリクソンは人間の発達を 8 段階に分けて考えていて、青年期は 5 段階目となる。
問38 (2) メタ認知と は、認知することを認知すること。つまり、自分の思考や行動そのものを客観的に把握し認識することをいう。
問39 (1) エポケーは、「判断停止」もしくは「判断留保」と訳される。カルチャーショックを受けたときに、すぐに結論を下さず、判断をいったん棚上げする態度のこと。
問40 (2) 認知心理学者のアンダーソンは、人間の知識を宣言的知識と手続き的知識の 2 種類に分けている。
10. 日本語の文法-基礎
問41 (1) グループは、学校文法でいう五段活用のこと。
問42 (3) グループは「来る」と「~する」のみ。
問43 (2) 別名、「迷惑の受身」や「被害の受身」。三上は1の「間接受身」と3の「持ち主の受身(身体部分以外)」を「はた迷惑の受身」と呼んだ。
問44 (1) 2の「走る」と3の「喜ぶ」は「動作の継続」を表す動詞。
問45 (2) 「伝達のモダリティ」は、その文を聞き手にどのような気持ちで伝えるのかという話し手の心的態度のこと。1と3は「判断のモダリティ」。
問46 (2) 1と3は、「沖縄で男に会った」「わたしがメールを送った」となるので、内の関係。
問47 (1) 辞書の見出しになっている形なので、 辞書形と呼ばれている。
問48 (3) 辞書形が「く」で終わる場合は、「いて」になるルールだが、「行く」は「行いて」ではなく、「行って」となる。
問49 (3) バ形は学校文法でいう仮定形のこと。
問50 (1) 動名詞とも呼ばれる。「~する」を付けて動詞として用いられる。
11. 日本語の文法-応用
問51 (3) 一人でもできる動作、つまり「~と一緒に」と言い換えられるのが、並立助詞。
問52 (2) 中古は、平安時代、院政期を合わせた期間をいう。
12. 日本語史-日本語教育史
問53 (1) ハ行転呼音とは、語中語尾のハ行音がワ行音に発音されるようになったこと。
問54 (3) 山田美妙は「デス体」を、二葉亭四迷は「ダ体」を試みた。
問55 (1) 前島密は、「漢字御廃止之儀」を徳川慶喜に建白した。
問56 (2) 『てにをは紐鏡』で係り結びの法則を明らかにした。
問57 (1) 1895 年に台北郊外の芝山巌学堂で日本語教育を開始した。
13. 日本語の文字表記
問58 (1) 象形文字は、具体 的な事物の形を絵で表したもの。ほかに「川」「山」など。2は会意文字、3は形声文字。
問59 (1) 仮借文字は、意味と関係なく、既成の音だけを取ってほかの語の表記に用いること。ほかに「我」など。
問60 (2) 呉音は、 5 、 6 世紀ごろの揚子江下流地域の音。仏教関係や古く渡来した文物の名称に多く残る。2は漢音。
問61 (1) 漢音は、呉音に少し遅れて入った音で、洛陽や長安などの北方の音。1は唐音。
14. 日本語の語彙・意味
問62 (2) イクラはロシア語から、タバコはポルトガル語が由来と言われている。
問63 (1) 2は複合語、3は畳語。
問64 (3) 話し言葉と書き言葉の違いも位相となる。
問65 (3) 女房詞の例としては、「おかか」「おかず」「おでん」「ひもじい」などがある。
15. 社会言語学
問66 (2) イギリスの言語学者ジョン・ライオンズによると、言語には、「記述的意味」と「社会的意味」と「表出的意味」の三つの意味がある。
問67. 67 (1) 2は言語のバラエティー、3はダイグロシアに関係が深い。
問68 (3) 人は、どんな言語でもポジティブ・ポライトネスとネガティブ・ポライトネスを使い分けて相手に言葉をかけているという理論。
問69 (1) H 言語と呼ばれることもある。高級という価値観が含まれる言語。
16. 日本語の話しことば
問70 (3) 『蝸牛考(かぎゅうこう)』で示した理論。『遠野物語』を著すなど、民俗学の大家でもある。
問71 (2) ネオ方言とは、方言と標準語が接触することによって生じた新たな混交体系。
問72 (2) 学校で方言を使った生徒に掛けさせていた札(ふだ)のこと。
17. 日英(中韓)の対照研究
問73 (1) 2の「歩く」は継続動詞、3の「始まる」は瞬間動詞となる。
問74 (1) 2の「似る」と3の「そびえる」は、「状態を帯びる意味の動詞」と分類される(「形容詞的用法」と呼ばれることもある)。
問75 (3) 動詞や形容詞が名詞を修飾する場合にも中国語の「的」の影響で「の」を付ける誤用例が多い。
18. 日本語教育実習
問76 (2) 韓国語では、自分の身内について外の人と話すときでも、目上であれば敬 語を使う絶対敬語が使われる。
問77 (3) 基本になる文にいろいろな要素を付け加えて、文を長くしていく練習。
問78 (2) テ形の接続用法を教えるときなどによく使われる。
問79 (1) 「北海道に行きます」(学習者) 「広島」(教師) 「広島に行きます」といった練習となる。
19. 聞き方・読み方の教育
問80 (3) 自分にとって必要な情報のみを拾い出す読み方をスキャニングと呼ぶ。
問81 (2) 二次記憶は長期記憶とも呼ばれる。
問82 (1) 文を単語ごとに区切ることもある。
20. 話し方・書き方の教育
問83 (3) 教師が生徒に対して使用するフォリナートークをティーチャートークと呼ぶこともある。
問84 (2) 言語化されたメッセージより文脈を重視し、意図を明確化しないで互いに相手の意図を読み取る文化のこと。
問85 (1) 平仮名や片仮名の読み方の導入で使用されることが多い。
問86 (1) 「拝啓」「前略」などの書き出しの言葉は「頭語」と呼ばれる。
21. 異文化間教育とコミュニケーション
問87 (2) 1990 年に改正された。主に南米の日系外国人労働者が急激に増加した。
問88 (2) 教師ではなく、参加者が主体的に学ぶのを手助けする人のこと。
問89 (1) 教科学習と言語習得の両方を同時に進めようという教育方法。
22. 日本語教育評価法
問90 (3) 学習者の学習成果や習得状況、学習上の困難点・問題点などを把握するために行われる評価。
問91 (3) 採点時に採点者の主観が入る可能性を最小化している点が特徴。
問92 (2) 熟達度テストは、現在、受験者が持っている能力を測定するために行 われるテスト。
問93 (1) 中央値は、得点を最高点から最低点まで一列に並べ、真ん中にくる得点のこと。
23. 視聴覚メディアと日本語教育
問94 (3) Computer Managed Instruction (コンピューター管理教育 の略。 CAI はコンピューター支援教育、 CAL はコンピューター支援学習のこと。
問95 (2) 個人の場合は原則として、創作者の生存中と死後 50 年間著作権が認められる。
問96 (1) 2は万国著作権条約への加盟年、3はベルヌ条約が成立した年。
24. 世界と日本
問97 (3) 人口ピラミッドは、経済が成長するに従って、富士山型から釣鐘型、壺(つぼ)型へと移行していく傾向がある。
問98 (1) 強制連行などで戦前から日本に定住してきた台湾・中国・朝鮮半島系の人々はオールドカマーと呼ばれる。
問99 (1) 国際協力機構( JICA )の派遣する青年海外協力隊員の中には日本語教師も含まれている。
問100 (3) ドイモイ(刷新)政策は、社会主義を保持しながら、国内経済に市場原理を導入する政策。