#18. 語用論的規範

[391]次の文章を読んで、各問いに答えよ。
語用論は英語のPragmaticsの邦訳として一般に知られている。この用語は20世紀前半から使われていたが、1960~1970年代にオースティン、サールらによって発話行為論が提唱されると、ことばの統語上の意味と現実の言語行動における機能との関連を探る研究が盛んに行われるようになった。その後、グライスが発話の意図とその理解に関して「言外の意味」の原理を提唱し、80年代前半のスペルビルとウィルソンの(1)へとつながっていった。語用論の研究に共通していえるのは、「コミュニケーションは(2)」という考え方であろう。

問1)文章中の(1)に入る最も適当なものを選べ。
FTA
関連性理論
ポライトネス理論
アコモデーション理論

問2)文章中の下線部について最も適当なものを選べ。
協調の原理
合意の原理
適切性の原理
面子(メンツ)の原理

問3)文章中の(2)に入る最も適当なものを選べ。
文法的な知識によって達成できる。
コンテクストがわかれば達成できる。
文法的な知識のみによっては達成できない。
インフォーメーション・ギャップがあれば達成できない。

[392]次の文章を読み、後の問いに答えよ。
グライスは、会話文の文字通りの意味と言外の意味を区別し、文字通りの意味が伝達されるためには、四つの公理があると考えた。次の会話例において、グライスの公理の何に反することで、特別の効果を持つことになったか、最も適当なものを選べ。

学校で、日ごろあまり学習態度がよくない学習者に向かって、「君はほんとによく勉強しているね。先生(私)は、とてもうれしいよ。」と言った。

  1. 量の公理に反している。
  2. 質の公理に反している。
  3. 関係の公理に反している。
  4. 様態の公理に反している。