#14. 音声・音韻体系

[195]次の文章を読み、各問いに答えよ。
 アクセントとは、ある言語の個々の語について社会慣習的に定まっている相対的な高さや強さの配置とされる。日本語や(①)は、高さアクセント、英語やロシア語は、強さアクセントである。前者には、単語レベルで現れる言語と②音節レベルで現れる言語がある。
 アクセントの機能は、A.「単語のまとまり」とB.「意味のまとまり」を示すことであるが、前者はすべての言語にあるのに対し、後者は言語による。Aの機能しか持たない固定アクセントにはフランス語、ポーランド語、チェコ語など、Bの機能を持つ自由・移動アクセントには英語、ロシア語、日本語などがある。

問1) 文章中の(①)に入る適当なものを選べ。
1. 中国語、朝鮮語
2. 中国語、ベトナム語
3. タイ語、ハンガリー語
4. 朝鮮語、フィンランド語

問2) 文章中の下線部②について最も適当なものを選べ。
1. 高次言語  2. 声調言語  3. モーラ言語  4. 超分節言語

問3) 文章中のAとBの機能について最も適当なものを選べ。
1. A=弁別機能 B=統語機能
2. A=範列機能 B=連辞機能
3. A=統語機能 B=弁別機能
4. A=連辞機能 B=範列機能

問4) 文章中のAとBの機能について最も適当なものを選べ。
1. すべての語でピッチが落ちるわけではない。
2. n拍の語にはn+1個のアクセントの型がある。
3. 最初の2拍は、異なる高さになるとは限らない。
4. 一度下がったピッチは、同一語内では二度と上がらない。

[196]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。
問1) 【複合語の音韻現象】
1. 反応  2. 詩歌  3. 三位  4. 因縁  5. 仏恩

問2) 【「ん」の調音点】
1. めんたいこ  2. かんろ  3. かんな  4. さんま  5. かんだい

問3) 【形容詞の種類】
1. 楽しい  2. つらい  3. 苦しい  4. きれい  5. うまい

[197]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものを選べ。

問1) 【東京アクセントの特徴を指摘しているもの】

  1. 高低アクセントである。
  2. n拍語にはn+1の型がある。
  3. 第1拍目と第2拍目は必ず高さが違う。
  4. 1語の中でアクセント核が二つ以上現れることがある。

問2) 【「の」の意味】

  1. 漢字のテスト
  2. 熱帯植物の本
  3. 山歩きの達人
  4. 恩師の田中先生

問3) 【「です」の種類】

  1. 今日は暑いですね。
  2. この犬は病気ですね。
  3. ヤンさんはタイ出身です。
  4. あの方は国会議員です。

[198]次の文章を読み、後の各問に答えよ。
 日本語の音声、音韻の特徴として、撥音・促音・長音の存在を挙げることができる。これらはいずれも「子音+母音」からなる通常の音節1個分と同じ長さを持つ点で共通しており、特殊拍あるいはモーラ音素と呼ばれることもある。
 さて、共通語(現代東京語)の音声の個々の音節で特に問題となるものに次のようなものがある。連音上の現象として「母音の無声化」と「ガ行鼻濁音」の現象が注目に値するものである。

問1)文章中下線部の「モーラ音素」という用語に含まれる「モーラ」に関する説明として最も適当なものを選べ。

  1. 音韻論的に等時間的である。
  2. すべての仮名1字が1音節に当たる。
  3. 英語などにおける「音節 (syllable)」と同じである。
  4. 撥音・促音・長音は先行音と一体となって1音節を成す。

問2)無声子音の間にどのような母音がくると無声化が起こるか。最も適当なものを選べ。

  1. 後舌の広母音
  2. 前舌の半狭母音
  3. 後舌の狭閉母音
  4. 後舌の半狭母音

問3)ガ行鼻濁音化を含む語の例として、最も適当なものを選べ。

  1. 「お元気」と「朝ご飯」
  2. 「小学校」と「株式会社」
  3. 「六十五歳」と「七五調」
  4. 「ジャングル」と「プログラム」

[199]次のそれぞれの問について、【 】内に示した観点から見て、他と最も性質の異なるものを一つ選べ。
問1 【音素的音節】
1 スタート  2 ストップ  3 フィールド  4 キャプテン  5 キャッチャー

問2 【「に」の意味】
1 機械に油をさす。
2 嫁につらく当たる。
3 ぬかるみに踏み込む。
4 小学校時代の友人に会う。
5 卒業して日本語教師になる。

問3 【「~は~だ」構文の意味】
1 悪いのはあの人だ。
2 監督は鈴木さんだ。
3 田中さんは学生だ。
4 来なかったのは主任だ。
5 試験範囲は第3章からだ。

[200]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。
【長母音】

  1. 手入れ
  2. 映画
  3. 明示
  4. 制度 

[201]次の文章を読み,各問いに答えよ。
【連濁】
青(アオ)+空(ソラ) → 青空(アオゾラ) 

夜(ヨ)+霧(キリ) → 夜霧(ヨギリ)

海(ウミ)+亀(カメ) → 海亀(ウミガメ)

 語と語を組み合わせて複合語を作った時に,後部要素の最初の清音が濁音化する現象を連濁という。この現象は広く観察されるが,全ての複合語で起こるわけではない。どのような時に連濁が起こりにくいかを観察してみるといくつかの法則性が見出される。

(a)中古(チュウコ)+カメラ → 中古カメラ(チュウコカメラ)

   デジタル+カメラ → デジタルカメラ(デジタルカメラ)

   バースデー・ケーキ,ウェディング・ケーキ,抹茶ケーキ

(b)二枚貝(ニマイガイ)-懇親会(コンシンカイ)

   幼子(オサナゴ)-阿寒湖(アカンコ)

(a)の例は,後部要素が和語(「亀(カメ)」)の場合は連濁が起きているが,カメラ,ケーキなどの外来語では連濁は起きていない。A一般に外来語は連濁が起きにくいが,ごく一部で連濁を起こす外来語もある。これらは日本語に深く入り込んで,外来語としての意識が薄れたものと考えられる。

(b)の例は,和語と同じ音で読む漢語の例である。漢語も和語に比べると連濁しにくい傾向にあると考えられる。B同じ漢字でも訓読み,音読みで大きく異なるようである。

 このように語種による制限以外に,後部要素に濁音がある場合は連濁が起きないという現象も確認される。これは「ライマンの法則」と呼ばれるもので,以下のようなものである。

(c)大(オオ)+風(カゼ) → 大風(オオカゼ)

  cf 大(オオ)+空(ソラ) → 大空(オオゾラ)

 このライマンの法則は,C濁音に一定の縄張りがあり,その縄張りの中に既に濁音がある場合新たな濁音が阻止されることを意味するが,この法則は後部要素だけでなく,前部要素も関わることがある。すなわち,D前部要素の最後に濁音があれば,後部要素に濁音がなくても連濁しにくい傾向がみられる。
問1)文章中の下線部A「ごく一部で連濁を起こす外来語」の例として最も適当なものを選べ。

  1. タバコ
  2. カルテ
  3. カイロ
  4. カルタ

問2)文章中の下線部B「同じ漢字でも訓読み,音読みで大きく異なる」の例として最も適当なものを選べ。

  1. 土木-樹木
  2. 絵本-文庫本
  3. 引き戸-門戸
  4. 男性-根性

問3)文章中の下線部Cのような音声に関する現象を何というか。最も適当なものを選べ。

  1. 同化
  2. 異化
  3. 変化
  4. 退化

問4)文章中の下線部D「前部要素の最後に濁音があれば,後部要素に濁音がなくても連濁しにくい」について述べたもののうち最も適当なものを選べ。

  1. 「島田」は連濁するが,「柴田」は前部要素の最後が濁音であるため連濁していない。
  2. 「溝口」「長淵」など,前部要素の最後に濁音がある場合でも連濁するものがある。
  3. 「高田」は,「たかた」「たかだ」の両方の読み方があるのはこの原則に基づく。
  4. 「今田」「山田」など,前部要素の最後が有声音であるため連濁していない。

[202]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。
【調音点】
1. [d]  2. [p]  3. [n]  4. [?]  5. [s]

[203]次の文章を読み,下の問いに答えよ。
【最小対立】
 「秋」/aki/と「息」/iki/というペアは,/-ki/の部分は同じで,最初の音素/a/と/i/だけの違いが意味の違いを引き起こしている。このようなペアを最小対立(ミニマル・ペア)という。 (ア) もこのような例の一つである。最小対立は,さらに音素の弁別的特徴の違いにまで細分化して捉えることもできる。たとえば, (イ) の対立は「破裂音:摩擦音」の違いとして説明することができる。また,最小対立には,子音・母音レベルの音素対立によるもののほかに, (ウ) のようなモーラ音素の有無によるものもある。

問1)文章中の (ア) に入れるのに最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。
「経済(けいざい)」と「警察(けいさつ)」
「勢力(せいりょく)」と「精力(せいりょく)」
「赤(あか)」と「青(あお)」
「城(しろ)」と「始祖(しそ)」ラ行音とサ行音の子音のみの違い。

問2)文章中の (イ) に入れるのに最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。

  1. /t/と/d/     2. /z/と/dz/     3. /b/と/β/     4. /m/と/ n/

問3)文章中の (ウ) に入れるのに最も適当なものを、次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 「せっけん(石鹸)」と「せけん(せけん)」
  2. 「らいこう(来校)」と「だいこう(代講)」
  3. 「なみ(波)」と「なみ(並)」 
  4. 「けんか(喧嘩)」と「けっか(結果)」

[204]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを一つ選べ。
【外来語】

  1. フリーダイヤル
  2. ガソリンスタンド
  3. トートバッグ
  4. マイナスイメージ
  5. ゴールイン

[205]次の文章を読み,下の問いに答えよ。
二つの語が結合して新しい複合語をつくるとき,後部要素の初頭モーラ(拍)が濁音化する現象を ? という。音声学的には,母音と母音のあいだに挟まれた無声子音が母音と同じ有声の音に変わる同化現象と考えられる。これに似た現象は多くの言語に観察されているが,日本語に特徴的なのは「 ? 」のような交替があることであろう。
 しかし「ねふだ(値札)」「あいかぎ(合鍵)」のように後部要素に濁音を含んでいる場合には,この現象は起こらない。

問1) 文章中の ? に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
1. 畳語     2. 連濁     3. 連声     4. 音韻融合

問2) 文章中の ? に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
1. はいざら(灰皿) 2. ほんばこ(本箱) 3. うでどけい(腕時計) 4. はるがすみ(春霞)

問3)  文章中の下線部の現象について最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
1. 異化     2. 同化     3. 口蓋化     4. 相補分布

問4) 次の複合語の変音現象のうちで,他と性質の異なるものを,次の1~4の中から一つ選べ。
1. 金網     2. 酒屋     3. 詩歌      4. 船旅

問5)日本語指導では学習者の母語と濁音との関係に注意を払わなければならないことがある。このことについて最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 中国語は,息の有無が意味の区別に関係しない。
  2. 朝鮮語は,声帯振動の有無が意味の区別に関係する。
  3. 中国語と朝鮮語は,ともに息の有無が意味の区別に関係する。
  4. 中国語と朝鮮語は,ともに声帯振動の有無が意味の区別に関係する。

[206]【 】内に示した観点から見て,他と性質の最も異なるものを一つ選べ。
【促音】

  1. 葛藤
  2. 活発
  3. 喝采
  4. 格好
  5. 甲冑

[207]【 】内に示した観点から見て,他と性質の最も異なるものを一つ選べ。
【音節数】

  1. 東北
  2. 中部
  3. 関東
  4. 近畿
  5. 九州

[208]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを選べ。
【カタカナ語特有の音節】

  1. フィナーレ 
  2. ジェスチャー 
  3. デュエット
  4. ニュアンス 
  5. チェックイン]

[209]【 】内に示した観点から見て,他と性質の異なるものを,1~5 の中から一つずつ選べ。
【縮約形】

  1. 買ったばかりの本を一晩で読んじゃった。
  2. そんな大声で叫んじゃだめだよ。
  3. それじゃうまくいかないよ。
  4. 東京じゃ大雨だって。
  5. じゃまたね。

[210]次の文章を読み、後の各問いに答えよ。
撥音は,(ア)とも言われ,仮名「ン」で表される。一般の日本語母語話者にとって「一つの音」としてしか意識されていないが,実際の発話では様々な異音として現れる。
「さんま」「サンタ」「参加」のそれぞれの「ン」を調音する際のA調音器官の様子を観察するとその様子の違いに気づく。例えば「さんま」の場合には,次に続く「ま」の子音と全く同じ音になっていることにも気づくであろう。このように撥音は基本的にB後ろの音の影響を受けるが,全く同じ音になる場合とそうでない場合がある。

問1)文章中の(ア)に入れるのに最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 引く音
  2. はねる音
  3. つまる音
  4. とまる音

問2)文章中の下線部Aについて,「さんま」の「ん」を調音する際に重要な役割を果たしている調音器官の組み合わせとして最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。

  1. 舌先と声帯
  2. 両唇と声帯
  3. 両唇と口蓋帆
  4. 奥舌と口蓋帆
    問3)文章中の下線部Bについて,このような現象を何と呼ぶか。最も適当なものを,次の1~4の中から一つ選べ。
  5. 順行同化
  6. 先行同化
  7. 後行同化
  8. 逆行同化

[211]次の文章を読んで、後の問いに答えよ。
 同じ人が同じ言葉を言っても、生理的、心理的、物理的条件などにより、実際の発音は少し違っていることが多い。このような不確実性にもかかわらず、同じ言葉に聞こえるのは、聞く人が「意味の違いに関係する音」だけに注意して聞いているからである。このような意味での音のことを( A )といい、その最少の単位を音声学で( B )という。また、「本も」「本と」「本が」の「ン」のように、意味の違いに関係しない範囲で、環境によって使い分けられる異音を( C )という。

問 文中の( A )~( C )に入る最も適当なものを選べ。
A: 1 音韻  2 音節  3 音域  4 音調
B: 1 音韻  2 音素  3 音度  4 音差
C: 1 相補異音  2 生成異音  3 自由異音  4 条件異音

[212]次の【】内の下線部に示した学習者による誤用と異なる種類のものを選べ。
【[発音する際に]だんご(単語)を覚えます】

  1. かんだん(簡単)
  2. いちかっき(一学期)
  3. ながれぽし(流れ星)
  4. せんたっき(洗濯機)

[213]次の【】内の下線部に示した学習者による誤用と異なる種類の誤用を選べ。
【[発音する際に]わだし(私)のお父さん】

  1. がこ(学校)の先生
  2. おどな(大人)の人
  3. かだかな(カタカナ)の字
  4. たどえば(例えば)の話

[214]次の文章を読み、後の問いに答えよ。
日本語学習者にとって特殊拍の聞き取りや発音が難しいことはよく知られている。特殊拍の習得が困難である理由には、母語の影響以外の要因も関与している。その一例として、(1)が挙げられる。特殊拍はその名のとおり特殊性に富んでおり、自立拍に比べて複雑である。たとえば、特殊拍には語中位置の制約があるが、自立拍は語頭・語中・語末のどの位置にも現れる。特殊拍は語頭には現れないため、辞書にもこれらの拍で始まることばは見当たらない。また、特殊拍は音声環境にも応じてさまざまな異音として実現されるため、自立拍のように単独では決まった(2)を持たないという点も特殊である。「今晩(こんばん)」「今度(こんど)」「今回(こんかい)」では「ん」の調音点が後続音に同化して変化していることがわかる。

問1 文章中の下線部「特殊拍」に当てはまらないものを選べ。
1 促音 2 長音 3 拗音 4 撥音

問2 文章中の(1)に入る最も適当なものを選べ。
1 結束性 2 孤立性 3 恣意性 4 有標性

問3 文章中の(2)に入る最も適当なものを選べ。
1 音価 2 鼻音 3 短音 4 字音

問4 語中の促音が他と異なるものを選べ。
1 いっこ(一個) 2 いっさつ(一冊) 3 いってん(一点) 4 いっぷん(一分)

[215]次の【】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを選べ。
【アクセント(現代東京語)】

  1. ウクレレ
  2. オルガン
  3. ソプラノ
  4. フルート
  5. チャルメラ

[216]次の文章を読み、後の問いに答えよ。
高さや強さ、テンポ、リズムのような現象は、韻律的特徴として取り扱われる。アメリカ構造主義言語学では、子音や母音といった分節音素とは別に、ピッチ、強勢などといったいくつかの分節音素にまたがって現れるような現象を「(1)音素」と呼ぶ。これらは、一つの分節音の枠を超えて、モーラや音節を単位として発話全体にかかわるのが特徴である。
音節の定義は、研究者によってかなり異なり、音声学的な音節と音韻論的な音節の概念を区別する必要がある。一般に言語学では、日本語でみられる促音、撥音、長音は独立した音節とは認めず、(2)形成音として扱うことが多い。(2)では(3)という次元が問題になり、等間隔に区切られた(3)量の韻律的単位であると考えられている。ただし、等間隔といっても、物理的に等しい(3)であるというわけではなく、心理的に等しい(3)である。
韻律的特徴として、アクセント、イントネーション、プロミネンス、リズムなどが挙げられるが、ここでは特に日本語のアクセントの問題を中心に考える。一般に「日本語のアクセント」といわれる場合、「個々の(4)について定まっている(5)の配置」という意味で使われることが多い。ここで注意しなければならないのは、「定まっている」というのは、「社会的慣習として(6)的に定まっている」というほどの意味であり、また「(5)」も、絶対的なことではなく相対的なことを意味している点である。

問1文中の(1)、(2)に入る最も適当なものを選べ。5.ストレス問2文中の(3)~(6)に入る最も適応なものをそれぞれ選べ。
1.シラブル 2.モーラ 3.卓立  4.超分節

(3): 1.強弱 2.時間 3.母音 4.子音 5.高低
(4): 1.句 2.文字 3.音 4.文 5.語
(5): 1.核 2.下がり目 3.強弱 4.高低 5.音調
(6): 1.規範 2.意図 3.文化 4.必然 恣意

[217]次のそれぞれについて、【 】内に示した観点から見て、他と性質が最も異なるものを、選べ。
問1) 【「に」の意味】

  1. 機械に油をさす。
  2. 嫁につらく当たる。
  3. ぬかるみに踏み込む。
  4. 小学校時代の友人に会う。
  5. 卒業して日本語教師になる。

問2) 【「~は~だ」構文の意味】

  1. 悪いのはあの人だ。
  2. 監督は岡田さんだ。
  3. 田中さんは学生だ。
  4. 来なかったのは校長だ。
  5. 試験範囲は第3章からだ。

問3) 【アクセントの弁別性】

  1. 日本語京都方言
  2. 中国語北京方言
  3. 朝鮮語ソウル方言
  4. タイ語バンコク方言
  5. ベトナム語ハノイ方言

[218]次の文章を読んで、後の問に答えよ。
 日本語の音節数は、英語や韓国語に比べて非常に少なくおよそ100~110程度だといわれている。音節とは何かという定義の問題があるが、ここでいう「音節」とは日本語の音韻に関して「拍(モーラ)」という単位を指しているものと解釈して話をすすめる。
 上記の解釈でいくと、五十音表の直音ア行からワ行(「ん」は除く)までで( ① )。そして、そこに拗音の( ② )を足して65という数字が出る。
 さらに濁音、半濁音を数えなければならない。直音の濁音ガ行からバ行までで20であるが、( ③ )ので2を引いて18、半濁音パ行5を加えて、合計23。また、拗音の濁音と半濁音ギャ行からピャ行までで15であるが、前記③と同じ理由により、「ぢゃ・ぢゅ・ぢょ」の3を除いて12となる。ここまでの合計音節数が65+23+12で100という数字が現れる。
 これに( ④ )の撥音・促音・長音の3を加えると103というのが、まず基本の数と考える。
 ここから先は、学者の主張によってはさらに音節数が増えることになる。たとえば、ガ行の鼻濁音を音韻上、別の音であるとしてカウントすれば「ガ・ギ・グ・ゲ・ゴ」「ギャ・ギュ・ギョ」が二種類あることになり、さらに8を加えなければならないので、日本語の音節数は111ということになる。
 また、外来語の音韻には上記の音韻にはないものが含まれる。日常生活でもよく現れそうなものを挙げると「チェ」(楽器の「チェロ」など)や「ファ」(流行の「ファッション」など)は上記の記述では日本語の音韻としては扱われておらず、この外来語の音韻のどこまでを日本語の音節として入れるかという問題は簡単に決められることではない。

問 文章中の①~④にはいる適当なものを選べ。
a.42 b.43 c.44 d.45
② a.23 b.22 c.21 d.20
③ a. 「じ・ず」と「ぢ・づ」という音は現代日本語では使い分けが行われていない
b. 「じ・ず」と「ぢ・づ」は語頭の環境と語中の環境では発音が異なる
c. 「じ・ず」は漢字の音読みで元々濁っているものであり、数に数えない
d. 「ぢ・づ」は同音の連呼や二語の連合によってしか生じないものだから数に数えない
④ a.特殊拍  b.自由異音  c.条件異音  d.音便